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公開日:2023.01.14
高齢者免許返納率
市町村で最大4倍差
本紙独自調査 箱根町が最低
75歳以上の後期高齢ドライバーの運転免許返納の状況について、このほどタウンニュース社が県内33市町村を対象に調査した。県警運転免許センターの統計をもとに独自集計した。
2021年の75歳以上の運転免許返納率は、県平均が6・01%。市町村別で最も高かったのは川崎市の7・54%(所持数2万9054/返納数2191人)、最も低かったのは箱根町の1・86%(同751人/14人)で約4倍の開きがあった。
当編集室担当エリアで箱根町以外は、小田原市が返納率4・46%(同8615人/384人)で県下22番目、真鶴町は5・94%(同471人/28人)で10番目、湯河原町は4・09%(同1540人/63人)で26番目だった。
県全体では高い順に川崎市、葉山町7・20%(同2000人/144人)、鎌倉市6・77%(同8259人/559人)、横浜市6・71%(10万2279人/6865人)と続いた。
県下の返納者数は増加傾向で、池袋で高齢ドライバーによる母子ら死傷事故が発生した19年は、前年比約1・5倍の4万6159人が返納。20年、21年も4万人超で推移している。
都市は高、山間部は低生活の利便性が影響か
調査結果によると返納率は都市部が上位傾向にあり、逆に箱根町のほか大井町や中井町など県西の比較的山間部が下位に多い。
政令市の区を含めた詳細な集計では、川崎市の中原区(9・16%)、川崎区(8・91%)、幸区(8・44%)、多摩区(7・73%)が上位4位を占めた。
県警中原署は交通の利便性を要因の一つにあげ、「鉄道6線が乗り入れていることに加え、バスの便数が多い。平坦な道も多く、返納しても不便と感じる人が比較的少ないのでは」と推測した。
一方の箱根町を所管する小田原署は「集落が点在しており、それぞれが平均10Kmほど離れている。都市部ほど交通手段が多くなく、車がないと不便を感じる人が多いのでは」と山間部ならではの実情を説明した。また「運転に不安がある人には安全運転相談専用ダイヤルを紹介するなどしているが、運転は生活と密接に結びついており、返納することが必ずしも是とは言えない」とし、一律の返納は求めていないとの考えを示した。
免許返納へのサポートも
県警では安全運転教育のほか、運転免許を返納すると割引サービスなどが受けられる「県高齢者運転免許自主返納サポート協議会」に加盟する企業の拡充を図り、自主返納につながる環境を整えている。また真鶴町では独自事業として18年から、満65歳以上で免許を返納した町民にバス・タクシーで利用できる割引チケット2万円分を支給している。21年度は28人の申請があったという。
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