小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2023.04.08
小田原でただ1軒のシラス漁を行う「第一和田丸」を操業する
和田 博行さん
小田原市国府津在住 54歳
工夫重ね 地元の美味届ける
○…毎年3月から12月、好不調の見極めが難しいシラス漁に小田原でただ1軒取り組んで7年目。地元の海は急に深くなる「どん深」と呼ばれ、決してシラス漁に適しているわけではないが、それでも「やっぱり地元で獲れるシラスを届けたいからね」と、笑顔の中にも漁師のこだわりを覗かせる。
○…国府津で漁業と農業を営む家庭で園児の時から船に乗り、中高生時代には登校前に仕事を手伝った。会社勤めを10年以上続けた後に4代目として父親の仕事を継いだ。それまで長く小田原で行われていなかったシラス漁を湘南の漁師の勧めで始めた1年目は「全然獲れなくて、これは大ごとだぞって。そんなに甘いもんじゃなかった」と苦笑い。漁船にソナー(音波装置)を付けて網糸を細くするなど、試行錯誤しながら何とか軌道に乗せた。
○…朝4時には沖に出てヒラメとシラス漁を、船を離れればミカンやコメ作りに励む。3年前からは国府津にシラス直売所を構え、これまでの仕事に釜揚げ作業なども加わった。3人の娘の子育てにはほぼ関われなかったが「大きな反抗期もなく育ってくれたのは妻のおかげ」と照れた表情に。「時間を作ってゆっくりしたいって思う時もあるけど、今は働く時期なんじゃないかな」。慌ただしい日常を家族や仲間のサポートで切り盛りする日々を重ねている。
○…子どもに人気のシラス。市場に出すものには鮮度にこだわり、店での釜揚げにはろ過した水や減塩など、大人になっても親しんでほしいとの思いも込める。「自分で獲ったものを自分たちの手で売ることができる、それが一番の魅力だし、良いことだと思う」。口下手なのは漁師ならでは。多くを語らず、今日も相模湾へ船を出す。
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