小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2023.04.22
湯河原みかんサミット実行委員会の委員長を務める
石澤 秀樹さん
湯河原町鍛冶屋在住 50歳
ミカンの文化次世代に
○…「特産品であり、町民の誇りでもある湯河原ミカンを町内外に発信する場をつくろう」と商工会や観光協会らでミカンをPRする実行委員会を2016年に発足。2年前にその委員長に就任した。昨年は街路樹としてダイダイの植樹、この春には湯河原惣湯テラスで町内で栽培されている柑橘類57品種を食品サンプルで展示。「ミカン農家は減少傾向にある。ミカン文化のバトンを次世代につなぐため、まず知ってもらわないと」と思いを込める。
○…祖父の代から続く湯河原のミカン問屋の長男として育つ。コンサル業や接客業を一般企業で学んだ後、27歳で地元に戻り、3代目を継いだ。「卸から小売中心へと変化の時。海外マーケットのように『映える』陳列にも力を入れた」。最近では、ジュースとソフトクリームスタンドも店内に設置し、観光客にも人気のスポットに。「ミカンは傷があっても、無駄にしない。加工品をいかに伸ばせるかが今後の課題」と経営者の目。
○…4人兄弟を育てるシングルファーザー。10年前に妻を熱中症で突然亡くした。「当時3歳の末っ子がみんなを笑わせてくれることが心の支えだった」。目の前の事に打ち込むうちに時は過ぎ、長男と次男は成人を迎え家業を手伝う頼もしい存在に。「父母も家族みんなが話好き。誰かがお客さんと話していると話の輪に入ってきてしまうのが悩み」と笑う。
○…しゃべりの才能を買われ、地元ラジオ番組を任された経験も。「だんだんと家族の面白話を暴露する場に」と照れ笑い。40歳過ぎでバイクの中型免許を取得。自社キャラクター「みかん坊や」のヘルメットを被り、配達でもアピールは欠かさない。「人生楽しむしかないでしょ」と前だけを向く。
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