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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2023.07.01

相洋中・高等学校の空手道部で顧問を務める
伊藤 善彦さん
小田原市板橋在住 42歳

空手で子どもを育てる

 ○…「武道の世界だがらといって堅苦しくはしたくない」。心地よい緊張感の中で、楽しく修練できる雰囲気をつくっている。10年前に相洋中空手道部を立ち上げ「やっと安定して結果を残せるようになってきた」。無名な選手を育て関東や全国に送りだす、その目は自分の子を見る様。今年も教え子の成長に期待を膨らませながら見守る。

 ○…東京都出身。父は元プロボクサーで、引退後に空手道場を開いていた。「生まれたときから空手しか選択肢がなかったですね」と苦笑い。小・中では野球や水泳にも打ち込んだが「日本一空手が強いところに行け」という父の言葉で高校は世田谷学園に進学した。「ぼくが一番弱かった」と入部時はレベルの差を感じるも、高1の冬頃から「なぜか負けなくなった」。主将にも抜擢され、高3の個人で全国3位、インターハイで団体優勝と、華々しい結果を残した。

 ○…その後、スポーツ推薦で明治大学に進学。このときの監督が小田原の「甘味喫茶 岡西」の当時の社長だったことに縁を感じ、大学卒業後は相洋の教員に。「迷わず決めた。空手道部はなかったけど」。2012年の中学武道必修化を受け、校長から「空手ができるのか」と聞かれ、謙遜して「少しならできます」と答えた。授業を受け持つようになり、翌年には中学で、その3年後には高校で部活動が創立した。現在では、中・高合わせて約50人の部員を抱える大所帯に成長した。

 ○…父の道場「尚影塾」を受け継ぎ、13年には小田原で子ども向けの道場を開いた。「地域貢献できれば」と始め、気づけばこちらも10周年。夏には「11人が全国大会に行くんですよ」とにんまり。空手漬けの日々で「奥さんには迷惑を…いや支えられています」。

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