小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日：2023.09.16
小田原市板橋でオープンする薬膳喫茶KURAのマスターを務める
飯山 淳二さん
南足柄市在住 58歳
レトロ喫茶から魅力発信
○…小田原市板橋で取り壊しも予定されていた古民家が再生される、そんな建築系のＳＮＳから話題となっている薬膳カフェのマスター。長年良いなと感じていた物件が賃貸になり、隣接スペースが知り合いの土地で使えることになるなど、偶然が重なる展開に「ここで何かやりなって言われているような縁を感じています」と期待を語る。
○…鴨宮生まれ。実家は新聞販売店、親族にも商売人が多い家系ながら、大学卒業後に就職したのは小田原市役所。福利厚生を担当した若手時代に職員向けイベントに従事し、人を楽しませる魅力を覚えた。１９９８年に市が宣言した「観光元年」から程なく、念願の観光課へ。「当時のイベントが今でも続いているのはうれしい」と笑顔に。観光関係の業務は10年超、手掛けた中には板橋地域の活性化事業もあり、カフェがある通りは足繁く通った経緯もあり、愛着ある場所だ。
○…業務にやりがいを感じていた一方で「何か自分の手で商売を」との思いもあり今年３月に市役所を退庁。ソロミュージシャン、掛け持ちのバンドなど活発だった音楽活動は「人前に出ることは少し減りそう。まずは店を軌道に乗せないと」と苦笑い。大きく舵を切った人生を見つめ直す瞬間もあるが「市役所を辞めてまでやりたいことを貫く、新しいことに挑戦する格好良い姿を見せたいんです」。
○…昔懐かしい街並みや歴史的建造物、伝統工芸といった文化も息づく板橋エリア。「湯河原と奥湯河原のような、ここは”奥小田原”といった魅力がある。市民から生み出すムーブメントで新たな賑わいが興せたら面白いと思う」。古き良き小田原を知る案内人として、味わいある喫茶店のカウンター越しから魅力を発信していく。
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