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公開日:2024.09.14

技光る木製塔 社寺に寄贈
宮大工・稲木初太郎氏の遺作

  • 三重塔を寄贈した稲木健太さん(右)と村上宮司

  • 大久寺の本堂に置かれた五重塔

 小田原市板橋の宮大工・稲木初太郎氏(1904―90)が技術の集大成として制作した2基の塔が、ひ孫の健太さん(43)によって市内の居神神社と大久寺に寄贈された。8月24日に持ち運ばれ、保管・展示されている。

 タイワンヒノキで作られた塔は、細かいパーツが精巧に組み合わされ、屋根や階段、窓などが緻密に表現されている。高さは約2・6m。

 居神神社に寄贈されたのは三重塔。棟が複雑に組み合わさった「八棟造り」と呼ばれる建築様式で、同神社の神輿と同じ構造をしている。その神輿を製作したのは小田原藩の城大工として著名な香川文造高行で、初太郎氏はその流れを汲む藤原流の宮大工だ。これまで塔は稲木家の自宅に保管されていたが、健太さんが「職人町として栄えた板橋地区の財産、形見のようなもの。多くの人に見てもらいたい」と縁のある神社と寺への寄贈を決めた。村上國起宮司は「これから拝殿に置いて、誰でも見に来れるようにできれば」と話す。

 大久寺には五重塔が寄贈され、現在本堂に展示されている。

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