「注文をまちがえる あつまあるかふぇ」を中心となって企画した 川井 健司さん 南足柄市在住 43歳
安心できる存在に
○…11月23日に行われた認知症の高齢者がホールスタッフを務める「注文をまちがえる あつまあるかふぇ」。認知症の理解促進や当事者が働くことで自分らしさを取り戻せる場を提供しようという志で3回目。ときより注文や配膳を間違えても笑顔で接客する様子に「認知症の人が外に出て人と付き合う大事さが改めてわかった」
○…小田原市城山で生まれ、2人兄弟の次男。小学3年の時に兄が不登校に。「俺に任せて」と親に告げ、中学2年まで外遊びや、ゲームなど遊びながら向き合った。友達よりも兄を優先する毎日、それでも「嫌だったことはない。なんとかするしかないとそれだけ考えていた」。兄が友達と遊ぶようになってから高校では「これでまの反動なのか散々遊びまくりました」。大好きだった『ザ・ブルーハーツ』に憧れ入部した軽音部で青春を彩った。
○…父の勧めで20歳の時に介護の資格を取得し、市内の老人保護施設で働いた。口数の少ない高齢者に対して、赤髪モヒカン姿の自身の髪型を使って、笑顔を引き出したときにやりがいを感じた。しかし、派手な外見が医師に見つかり「施設長から今すぐ坊主にしてと怒られた」と苦笑い。その後、都内などで経験を積み、現在は小田原市の認知症対応型老人ホームで管理者を勤める。
○…認知症患者が増加していく中で、地域の支え合いが重要と感じる。「安心できる存在になるのが大事」と信念のもと、相手のペースに合わせた声掛けや柔らかい表情作りなどを大切にする。趣味は筋トレ。30代前半で関節リウマチと診断され、痛みを筋肉で乗り越えようと始め、現在も毎日ジムで鍛える。「筋肉痛なのか関節の痛みなのかわからなくて」と大きく笑った。
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