小田原市議会第66代議長に就任した 井上 昌彦さん 小田原市栄町在住 60歳
まちの課題に向き合う情熱
○…市議になり4期目、副議長などを歴任して議長に就いた。国政の混乱に思うところはあるが、市政運営は「小田原をより良くすることから」と迷いはない。市民の声を政策立案につなげ、時代に合わせた議会改革にも目を向ける。冷静かつフラットな視点で職務に臨む考えだ。
○…中高時代はサッカーに熱中した一方、黎明期のコンピューターに関心を持ち、ゲームに興じた。法政大学工学部からソフトウェア開発企業に就職。銀行や官公庁のシステム構築に携わっていた10年目に実家の種苗店を継いだ。店を切り盛りする中で、当時の小田原駅前開発に反対意見を発信。きちんと意見が言える人材が必要と、40代半ばで市政に挑戦した。ネットを駆使した個人レベルの活動で、「中古の机からスタート」と記したSNSでの懐かしい第一声を振り返る。
○…現在は妻と母との3人暮らし。店舗と議会を往復する日々の息抜きは、伊豆や箱根方面へのドライブ。美しい自然や歴史ある神社仏閣を巡って心身を引き締め、美味で英気を養う。3年前に患った大病を機に酒を断ち、「一回死んだ身だと思うと、全てに恩返しをしたい思いが強くなった」。人への思いやりがこれまで以上に芽生え、困難を人間的成長の糧に変えた。
○…小田原を見続けて思うのは、駅前の変容に比べ、周辺地域の変化が少ないこと。「考えるべきは全体的な地盤の向上で、どこでも暮らしやすいまちづくり」。社会人、店舗運営と10年ごとに訪れる転機を「自分の中で10年過ぎると満足しちゃう」と笑うが、市議としては既に15年。「その時々の課題に向き合っているとやりがいを常に感じるので、この職が飽きることはない」と、注ぐ情熱に胸を張る。
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