小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2025.07.05
戦後80年 語り継ぐ記憶
父が撮影した戦地の日常
小田原市石橋在住 鈴木敏治さん
小田原市石橋在住の鈴木敏治さん(71)宅で今年5月、父・重治さんが第二次世界大戦中に戦地である東南アジアで作成したアルバムが見つかった。収録されている約100枚の写真には、従軍中の日常風景が克明に記録されている。
重治さんは日本軍がイギリス領シンガポールに侵攻し、イギリス軍を降伏に追い込んだマレー作戦に従軍していた。所属していた部隊は「兵站184中隊」。主に輸送部隊として従軍していた。
アルバムの写真は、重治さんが私物のカメラで撮影したもの。部隊の仲間や戦災孤児と笑顔を見せる様子や、日本軍の山下奉文司令官を乗せたシボレーとともに写ったもの、また慰問袋に入れていた家族写真などが掲載されている。アルバムの装丁は戦友と作成し、戦時中に負傷兵として日本に帰国する際に持ち帰ったものという。重治さんはその後、療養中に終戦を迎えた。
敏治さんはアルバムの存在について知っていたが、「子どものころでそれが何なのかはわからなかった」という。
戦地の話を幼いころから聞いて育った敏治さん。戦友や戦災孤児との思い出話のほか、凄惨な話も記憶に残っている。「死体の上を『ごめんなさい』と思いながら車を走らせた話はよく聞かされた。幼いながら戦争は想像以上に泥臭く恐ろしいものだと思った」。アルバムを見つけたことについて、「父の話を改めて思い出した。多くの人に父の戦地の写真を見てもらえたら」と話した。
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今年で戦後80年。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。
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