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足柄版 公開:2014年9月13日 エリアトップへ

足柄峠笛まつり 伝承される雅楽の調べ

公開:2014年9月13日

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40年以上演奏を披露している(写真は一昨年)
40年以上演奏を披露している(写真は一昨年)

 南足柄市と静岡県小山町の県境にある足柄峠で14日、「足柄峠笛まつり」が開催される。

秘曲の伝承地

 平安時代後期に奥州(東北地方)の内乱に乗じて源氏が攻め入った「後三年の役」(1083〜1087)で、苦戦を強いられる兄・八幡太郎義家を助けるために、新羅三郎義光(源義光)が京都から出兵。中秋の名月の夜、東西を結ぶ交通の要所だった足柄峠に露営した際、戦地に赴き、秘曲の伝承が途絶えてしまうことを危惧して師・豊原時元の息子の豊原時秋に、「笙(しょう)」の秘曲を伝承したという云われがある。その際に義光が腰をかけたとされる「笛塚」の供養を行う足柄峠笛まつりは、1972年から中秋の名月の前後、毎年9月の第2週の日曜日に開催されている。

 43回目を迎えるこの祭りでは、笙の名人、新羅三郎義光が笙の秘曲を伝承したという故事にちなみ、「新羅三郎義光吹笙之石」(笛塚)の前で、雅楽の演奏による笛塚供養が行われる。

内山雅楽会

 笛塚供養で披露される雅楽の演奏は、「笙」「篳篥(ひちりき)」「龍笛(りゅうてき)」の3つの雅楽器で構成されている。笛塚供養で演奏を披露しているのは、南足柄市内山を中心に活動する「内山雅楽会」(瀬戸利道会長・会員12人)だ。笙の演奏者として活躍していた初代会長の故・瀬戸義治さんが「生まれ育った内山で雅楽を演奏する仲間を育て、雅楽を伝承していきたい」と、地域の青年たちに呼びかけ、1969年に内山雅楽会を発足した。呼びかけに応え、内山地区に住んでいた人を中心に南足柄市や山北町、小田原市、箱根町などから6人のメンバーが入会。笛まつりの第2回目から40年以上、雅楽の演奏を担当してきた。5年ほど前からは発足メンバーの息子世代6人が加わり、12人で活動を続けている。

3管の調和が魅力

 会では週に一度の練習のほか、笛まつりでの演奏を中心に、市内の小中学校からの依頼や結婚式、各地のイベントなどで演奏を披露している。同会で笙を担当する建設業の矢後一徳さん(57=内山在住=)は「私が参加したのは中学生の頃。伝統的な楽器である雅楽器に興味があり、先代の会長である瀬戸さんから誘われ、始めました」と当時を振り返る。

 演奏者が少ないため、メンバーの中にはテレビ局からの依頼で過去にテレビ出演をした人も。矢後さんも新羅三郎義光の足跡を追った番組で義光役として足柄峠で笙の演奏を披露した経験がある。

 矢後さんは「笙、篳篥、龍笛の音の調和がとれた時が本当に気持ちが良い。この地域に日本古来から伝わる雅楽を”地域の文化”として広めていきたい。一緒に活動する仲間をもっと増やしたい」と話す。

 「足柄峠笛まつり」に関する問い合わせは南足柄市商工観光班/【電話】0465・74・2111へ。
 

笙を手にする矢後さん=矢後さんの自宅
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