大井町役場の1階や生涯学習センターでハガキ大の八つ折り冊子が無料配布されている。表紙には「大井町の道祖神」と記されている。今年3月に大井町教育委員会が発行した町内にある道祖神の一覧表だ。
この冊子の出来がすこぶるいい。
冊子によると町内には46カ所60基の道祖神がある。
そもそも道祖神は村の中に悪いものが入らないよう防ぐ神様とされ、道の辻々や集落の出入り口に祀られている。車での移動が多い現代社会では見過ごされがちだが、かつては正月になると集落の男児が道祖神を囲む小屋を作り、中でもちを焼き太鼓を叩いて遊んだという。祭事の資金を稼ぐために地域の家をまわり「悪魔っぱらい」と呼ばれるまじないを唱えて浄財を集めたという。
町は30年ほど前に道祖神の調査を実施して資料冊子を作り、小学生向けの教材として活用していたが、昨年秋に教育委員会職員の内田憲治さん(51)=写真右が再編を企画した。
文化財保護委員で郷土史家の香川順次さん(84)=写真左らの協力を得てできあがった冊子には、町内のマップと道祖神の写真などをカラーで収録した。香川さんは「昔の風習がなくなり寂しくなった。子どもたちに手にとって見てもらいたい」と話している。
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