足柄 トップニュース社会
公開日:2025.08.09
足柄高校歴史研究部
谷峨の送信所を研究
海外の玉音放送で使用
終戦から80年。県立足柄高校歴史研究部(部員数10人、桐生海正顧問)は、玉音放送でも一定の役割を果たした「国際電気通信足柄送信所」(山北町谷峨)の研究を行っている。
研究テーマは部長で2年生の瀬戸煌生(こうき)さんが中心となり決定した。瀬戸部長は「地元にもいっぱい戦争の爪痕があり、こうしたことを私たち若者が忘れてはいけない」とその意義を話す。
この送信所は敵の空襲に耐えうるべく、山北町谷峨にあった御殿場線の150m程のトンネルを利用して設置。半官半民の会社である国際電気通信が運用し、1944年11月に、電波の発射を開始した。まもなく終戦を迎え、昭和天皇による玉音放送を当時、日本軍が占領していた東南アジアや中国などにいた日本人向けの放送に使われた。翌46年2月に役目を終えている。
研究はSNSや資料・文献などで下調べをして、何度も現地を訪問。当時の谷峨村の名主の子孫である武尾孝さんらに直接話を聞きまとめてきた。瀬戸部長は「終戦から80年が過ぎ、当時を知る人がほとんどいませんでした。谷峨に送信所があったことは秘匿されていたことなどからも、取材は難航しました」と苦労を語る。現在研究は最終のまとめ段階に入っている。
歴史甲子園出場を
今後は歴史の甲子園と呼ばれる9月の「全国高等学校社会科学・郷土研究発表大会」に応募する。この歴史の甲子園(100件程の応募から書類で5校が選考)に、同部は2022年から2年連続で出場している。
桐生顧問は「インターネットなどデジタルアーカイブによる調査のみでなく、実際に現場に訪れ、地域住民の話しを丁寧に拾い上げるなど、素晴らしいもの近づいている」と評し、瀬戸部長は「自分たちもぜひ出場したい」と話している。
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