歌手としてデビュー15周年を迎えた
みずき小夜子さん（本名　鈴木小夜子）
下大槻在住

苦労乗り越え喜びつかむ

　○…生まれ育った秦野から、神奈川そして全国へ人生の応援歌を届けている。病院や福祉施設への慰問や、車椅子の寄付などチャリティー活動も積極的に行っている。２０１２年には芸術文化福祉などへの功績が称えられ、東久邇宮文化褒賞が贈られた。

　○…華々しく活躍している今を作り上げたのは、デビュー前後の時代。歌手を目指しながら会社員として働いていたが、練習などの時間がなかなか取れなかった。そんな苦労の中、ある企業の社長に理解を示してもらい、支援を受けて転職。面接の際に役員の前で歌を披露し、「こうやって歌で頑張っている人が入るから、協力して」と社長から紹介してもらったという。入社後晴れてデビューを果たした。しかし歌手として活動していく中で、新たな課題が見えてきた。それは、歌とともにリスナーを惹きつける「トーク力」。ラジオ番組の収録では、１フレーズを10回以上やり直した経験も。自信が無かったトークだが、事前にレポート用紙に話すことをまとめるなど努力を重ね、今ではコンサート中にアドリブで会場を盛り上げている。

　○…上品で優雅な雰囲気を持っているが、実は「お祭りが大好き」とにっこり。最近では曾屋神社の例大祭や茅ヶ崎市の浜降祭に、祭り衣装をまとい頭に鉢巻を絞め繰り出している。「このお祭りの時は…」と見せてくれた写真には、歌手「みずき小夜子」とまた違う笑顔が写っていた。

　○…デビュー当時、「１年ももたない」と言われたことがある。しかし今年１月に発表した「冬の湘南」など、地域を愛し貢献する想いで歌い続けてきた。訪問先で握手を求められたり、寄付した車椅子を喜んでくれる人がいると、「元気になってもらえるとうれしい。応援してくれる人に感謝している」と喜びを口にする。夢はＮＨＫ歌謡コンサートに出ること。「大きな舞台に立って歌いたい」と目を輝かせた。