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秦野 人物風土記

公開日:2014.10.11

創立25周年を迎えた社会福祉法人ビーハッピーみのりの家の施設長
渡邉 美佐緒さん
菩提在住 64歳

共に感じ、共に生きる



 ○…渡邉典夫理事長と夫婦2人、知的障害がある人のため、自宅で開所してから25年が経った。7年前に社会福祉法人になるとともに、現在の渋沢へと移転。その歴史に思いを巡らせ、「多くの支えがあったからこそ」と感謝の言葉を繰り返した。



 ○…この道を進むきっかけは高校時代の校長。福祉学者でもある校長の「障害のある人も堂々と生きる社会に」と熱く語る姿が胸に響いた。大学で社会福祉を学び、卒業後は弘済学園に就職。障害を持つ子どもと接する中で親子の絆の強さを目の当たりにしていたが、同僚だった夫との間に子どもを授かり、「命の尊さ、愛おしさは想像をはるかに超えていました」と優しい母親の顔を見せた。



 ○…その後くず葉学園に転職し、みのりの家開設に繋がる1人の利用者と出会った。普段は仏のような顔をしていたというその男性。しかし自己に対し思い悩み、「そのままで素敵よ」と声を掛けていたが、命を絶ってしまった。「生まれてきたからには世の中がウェルカムでなければ」。障害があっても「満たされた1人の人」として、比べられることなく生きられる場所を作ろうと、夫婦力を合わせ開所。みんなの想いが実るように、そして自己実現の意味を込めて「みのりの家」と名付けた。利用者2人からのスタートだった。興奮すると物を壊したりする子もおり、自分にはハードルが高いと思うこともあったという。しかし一緒に机や、時にピアノをひっくり返し、気持ちを共有することが彼らにとってどれだけ必要なことなのかを知った。自分を怖がらず、一緒にいることを喜んでくれる存在の大切さ。「彼らが教えてくれました」と目じりが下がる。



 ○…社会福祉や社会保障は社会の要だと、世の中全体が実質的により良くなることを望む。「みのりの家もまだ基礎ができてきたところ。この想いを何十年も後まで引き継いでいってもらえたら」と微笑んだ。

 

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