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秦野 文化

公開日:2015.04.02

伊勢の古材で鳥居建立
谷和雄さん、鉋がけで協力

  • 鉋がけをする谷さん(右)。古材の表面は黒ずんでいるが「削るとあぶら気があり、素晴らしい銘木」

  • 小田原産木材は、乾燥による収縮を想定し古材より3ミリほど太く仕上げられている

 小田原市城内の報徳二宮神社が行う創建120年記念事業に、谷工務店の谷和雄さん(市内菖蒲・54)が参加している。この事業は、2013年に式年遷宮を行った伊勢神宮から鳥居の古材を譲り受け、二宮神社に新たな鳥居を建立するもの。

 谷さんは、小田原の文化財建造物木工技能者・芹澤毅さん(44)の声かけで参加。2人はともに、大工たちが鉋の薄削りの腕前を競う「全国削ろう会」の実行委員長を務めた経験を持ち、谷さんは昨年の小田原大会にも協力していた。

 3月25日には二宮神社の境内に設えられた作業場で、伊勢の古材と、古材の傷んだ部分を補強・維持するための小田原産木材を繋ぐ「根継ぎ」が行われた。

 2日間にわたり、根継ぎ前の木材に鉋をかけた谷さん。樹齢300年ほどとみられる古材を丸鉋で削ると、たちまち鮮烈な檜の香りが漂った。谷さんはリズミカルに鉋を動かしながら「建立作業の話を聞き、小田原へ駆けつけた。滅多にない機会をもらい、名誉に思う。技術だけでなく気持ちの面でも貴重な経験になる」と表情を引き締めた。

 古材と小田原産木材は谷さんのふるう大槌で合体。根継ぎが完了した丸柱とその他の部材は境内に展示され、4月13日(月)に建て込みを行い、15日(水)の例大祭でお披露目される予定だ。谷さんは例大祭にも列席の意欲を示している。

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