港南区版 掲載号:2014年10月2日号

創立50年を迎えた安部幼稚園の理事長兼園長

安部 富士男さん

芹が谷在住 84歳

小さな温もりに励まされ

 ○…正門をくぐって園庭を抜けると、様々な種類の木々が実をつけている。「今は栗だね。もう少ししたら柿の季節になる」。四季を通じて園児と収穫し、旬の味覚を楽しむ。「生活の中には、子どもたちを豊かにする学びがたくさんある」。園内には丘もあり、雑木林が広がるが、「ここからの景色もまったく違っていた。この丘の木も、うんと小さかったんだよ」と、50年の月日をしみじみ振り返る。

 ○…福島県小高町(現・南相馬市小高区)出身。「尊敬する俳人を多く輩出していた東大俳句会を再建したい」と、アルバイトをしながら東京大学に入学。その在学中に知人に連れられ、中国からの引揚者住宅で暮らす子どもたちと出会った。「5歳くらいの子どもが、さらに小さな弟妹の面倒をしっかり見ていたのに驚いた。だけど僕らが一緒に遊んでみると、やっぱり幼い子どもなんだよ」。青春時代は、母を亡くした寂しさを抱えてもいたが、子どもの遊び相手をしている時間がその心を癒してくれた。

 ○…芹が谷を初めて訪れたのも大学在学中。幼稚園設立を目指して、資金を作るために自ら立ち上げた学習塾で講師を務めながら、広い土地が安く手に入る場所を探していた。そんな折、芹が谷団地造成の話を聞きつけた。「学生で、塾経営もしながら、幼稚園設立に奔走していた。『3足』のわらじだね」。借入金の返済には苦労も多かったが、「その時も、子どもたちの優しさに支えられたから頑張ってこれた」。原動力は小さな温もりだった。

 ○…子どもたちの豊かな成長を願い、その土台づくりを続けてきた50年。「やさしく、強く、生きる力を育みたい」という思いは変わらない。「3歳児の優しさ、4歳児の思いやり、5歳児の心配り。それらに励まされながら、これからも人生という物語を紡いでいきたい」。その力はまた保育へと注がれる。色とりどりの花が咲く日に思いを馳せ、自然と笑みがこぼれる。

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