幕末に築造された砲台「神奈川台場」の石垣の一部が昨年6月、神奈川区星野町のマンション建設現場で見つかった。建設した株式会社栄光(朝日恒男会長)は、150年前に台場で初めて礼砲が撃たれた4月27日の記念日に、一般公開を開始した。
石垣が保存・公開されているのは、コットンハーバー地区に建てられた6階建てマンションの一室。同社はマンション着工後に、埋められていた神奈川台場東側の石垣の一部を発見した。朝日会長が「貴重な遺構を市民の方に見てもらい」と、保存を決定。当初のマンション設計を変更し、1階から見下ろせる資料室を整備した。室内で保存されている石垣は、高さ3・2m、長さ約4・5m。真鶴半島で採れたとされる1個600kg前後の伊豆石を5段ほど積んで造られている。
横浜開港資料館の西川武臣副館長は「国際都市・横浜にとって貴重な史跡。この資料室を起点に横浜の歴史を学んでもらいたい」と保存の意義を話す。台場の石垣は近隣の公園などでも展示されているが、底辺から見られる場所は初めてだという。
資料室の壁には、神奈川台場の写真など関連資料を展示しており、喫茶・バーとしても利用できる。入場料は大人100円、子ども・学生無料。問合せは、栄光【電話】045・441・5465へ。
神奈川台場は、幕府の命で勝海舟が設計し、横浜開港の翌年(1860)に伊予松山藩が築造した海上警備のための砲台。約8千坪に大砲14門を備え、外国船を迎える際に礼砲・祝砲を発射する施設として利用された。1899年に外国人居留地の撤廃に伴い役割を終えた。
神奈川区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|