4月23日(土)にチャリティーコンサートを主催する声楽家 境 信博さん 小松原在住 49歳
音楽の力を信じて
○…「被災地が復興するには長い時間がかかる。自分たちも肝に銘じなきゃいけない」―。4月23日(土)にひばりが丘コミュニティセンターで開くチャリティーコンサートを皮切りに、音楽を通じて被災地の復興を後押ししていく。今回は自身が発起人となって、市内在住の音楽家などに呼びかけたが、将来的には「(コンサートが)自分の手から離れていくのも良いと思う」という。「『私が』ではなく、誰かが支援を続けることが大事」と語る。
○…声楽家として、日本最大のオペラ団体「東京二期会」に所属。また、洗足学園音楽大学の非常勤講師として後進の育成に励むなど、幅広いフィールドで活躍中だ。頭の切り替えが早く、前向きで柔軟な発想の持ち主。音大生の頃は「箸にも棒にもひっかからない存在」で、卒業式では教師から「君の歌は下手だ」と言われた。しかし、そこで落ち込まないのが本領。「じゃあ、(生徒の中で)私が一番だったのは?」と切り替えすと、声質の良さを指摘された。「なら、音楽を続けていれば良いことがあるかも」。そんな前向きな姿勢が、今の活躍に結びついている。
○…ピアニストの奥さん、吹奏楽部に所属する2人の娘さんがいる。吹奏楽のコンサートに足を運ぶこともあるが、純粋に音楽を楽しめず、技術の巧拙に耳が傾いてしまう。「悪い癖だね」と苦笑い。趣味は地方公演での温泉めぐり。奥さんから「本に出来る」と言われるほど、日本各地を回ったという。サイクリングも好きで、様々な地域の生活の一端に触れることが何よりの楽しみ。
○…「音楽には人を変えるエネルギーがある」。そう強く信じている。演奏を聴いたことで突然絵を描き出した自閉症の子どもなど、音楽人生の中でいくつもの奇跡に出会った。チャリティーコンサートでも、その信念を胸に舞台へ。「みんなの笑顔がみたい」―。満面の笑みで語った。
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