海水の放射能測定実施へ 県内初・市が独自予算で 「安全を呼びかけたい」
藤沢市では8月から毎週月曜日、海水等の放射能濃度測定を開始した。市が独自で行うのは、県内初。これまで県が月1回実施してきたが、地元のサーフィン団体の要望や、市役所への問合せから実施を決定した。
神奈川県では5月から8月まで、県内の海水浴場の海水について放射能濃度の測定を行っている。毎週行われるのは、定点観測のサザンビーチちがさきのみで、片瀬海岸や辻堂などその他の海水浴場は毎月1回測定している。
しかし「これでは海岸利用者の不安は払拭できていない」と、先月14日に日本サーフィン連盟湘南藤沢支部(菅谷俊支部長)が、海老根靖典藤沢市長に「海岸及び海水の放射能測定についての要望書」を提出。週1回以上の測定と、測定ポイントの見直し、海水浴シーズンが終わった9月以降の測定を求めていた。これを受け海老根市長は、「安心してマリンスポーツができるように、できるだけ早く前向きに検討したい」と答えていた。
また市役所には、足柄茶から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたニュースが報道された頃から、「海水浴に子どもを連れて行っても大丈夫か」と言った問合せもあり、市環境保全課は「多くの人に安心して来てもらいたい」と、市独自の放射能濃度の測定を決定した。
測定内容は、毎週月曜日に、片瀬東浜、片瀬西浜、辻堂海岸の3カ所の海水と、サーファーが多く集まる引地川の河口付近を採水(県が測定する場合はその箇所の測定は行わない)。分析は県内の民間業者に委託する。1検体にかかる検査費用は、2万円以下という。4日から5日程で分析は終わり、結果はホームページ等で公表する。
1回目は不検出
8月1日の測定結果は、3カ所ともにヨウ素―131、セシウム―137、セシウム―134は不検出だった。定量限界値はすべて10Bq/kgとなっており、国が示す水質の目安より厳しく設定。砂浜の線量測定は、県が8日に東浜1カ所、西浜2カ所、辻堂1カ所で行った。
9月以降の測定は、「県の動きをみながら」としながらも、「県が前向きなので、市としても前向きに検討したい」と話している。
昨年度は420万人の海水浴客が訪れた藤沢市。菅谷支部長は、「すぐに動いてくれたので感謝したい。海水浴客が少ないという話しも聞く。海のレジャーを楽しむ人、海に関わる人、漁業関係者のためにも、年間を通じて実施してほしい」と話した。
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