鎌倉市は、6月27日の市議会・教育こどもみらい常任委員会で、市内扇ガ谷1丁目の約8570平方メートルの土地について、所有者から市に寄付の申出があったことを公表した。市は、隣接する一部の土地を買収し、計約1万5350平方メートルを取得する方針。駅に近く環境も良い事から、市は「世界遺産ガイダンス施設」または「博物館」用地として活用を検討する。
建築物等の整備は、来年の世界遺産登録可否が明確になった後に行う見込みだ。
寄付申出があった土地の所有者は、「一般財団法人センチュリー文化財団」(東京都新宿区)、「センチュリーアセットマネジメント(株)」(同)の2法人。また、隣接する個人の所有地は市が買収を予定する。
さらに同財団は、市博物館や世界遺産ガイダンス施設整備等に役立ててもらおうと市に助成金寄付も予定しており、個人所有地の買収はこの助成金が充てられることから、市の実質的な負担はない。
該当地の一部は、以前にセンチュリー文化財団が美術館建築を計画していた。しかし、2008年2月に同財団が活動拠点を東京に移したことから、美術館計画はなくなり、同財団では「最適な活用方法等を種々検討」してきたという。
市に相談したところ、博物館や世界遺産ガイダンス施設などの文化施設としての利用提案があり、同財団は、文化的活動の拠点としての利用は財団の設立趣意に合致するとして、寄付申出の判断に至った。
市世界遺産登録推進担当では、該当の土地について、「とても眺望がよく自然も豊か」と高く評価する。敷地奥は高台のため防災面でも有効であり、市民の共有財産となればとても魅力的としている。
寄付申出が突然発表されたことについては、同財団による今回の寄付行為が、所管する東京都から承認されたのが6月25日であり、それまでは公表できなかったと説明する。
ガイダンス施設などが整備できることは、世界遺産登録推進の追い風になるとして、同担当では「非常にありがたい話。市民のためにも活用できれば」と期待する。
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