北鎌倉の湧水を使った地ビールが復活―。製造が休眠状態にあった地ビール「北鎌倉の恵み」が9月4日、復活を果たした。環境保全活動などを行う市民団体「北鎌倉湧水ネットワーク(野口稔代表)」と地ビール会社「サンクトガーレン(厚木市・岩本伸久社長)」が協働し販売を開始。売り上げの一部はまちづくり運動などに取り組む市民団体へ寄付される。
「北鎌倉の恵み」は北鎌倉・六国見山の湧水を仕込んだ地ビール。売り上げの一部をナショナル・トラスト運動などに寄付する目的で2000年に「初代」が発売された。同団体が湧水の調達、企画、広報などを行い、製造と販売は横浜ビールが行っていた。
「初代」は発売から10年あまりの間で、売り上げの中から市民団体へ100万円を超える寄付をしたほか、03年には全国地ビール鑑評会で銀賞を獲得するなど地域の地ビールとして人気を呼んでいたという。
11年3月に一旦は幕下ろす
しかし、11年3月に横浜ビールからの申し入れによって製造が停止。「残念な気持ちもあったが、両者の利益のために一定の役目は果たせた」として、一旦はブランドの幕を下ろした。
同団体ではその後、復活へ向け新たな協働相手を探していた。サンクトガーレンとの出会いは、販売再開を望む「北鎌倉の恵み」ファンからの紹介だった。昨年12月に野口さんら同団体の3人が、サンクトガーレンを訪ね協力を打診。「地ビールで地域活性化という企画の理念に共感した」という岩本社長が快諾し、復活へ向け歩みが始まった。7月に最初の試作品が完成し、8月に関係者などが集まり試飲会を実施。9月の発売へ準備が整った。
飲みやすく濃厚「肉料理に合う」
新「北鎌倉の恵み」は「初代」のフルーティな飲みやすさを継承しつつ、深い大人の味わいに。硬水の特性を生かした濃厚な味わいのエールビールだ。岩本社長によると肉料理との相性が良いという。1本330ミリリットル・420円(税込)。
北鎌倉の小沢酒店にはインターネットに同ビール復活の情報が出ると、発売前から「いつ入るのか」と問合わせがあった。発売後は最初の3日間で約100本が売れたという。
同ビールは「小沢酒店」、スリーエフ北鎌倉店、「玉子屋商店」などの店頭や、懐石料理の店「かまくら口悦」でも味わえる。取扱店は順次増える予定。サンクトガーレンのHP(【URL】http://www.sanktgallenbrewery.com/)からも購入可能。
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