その土地に本来あった木(原植生)を植えることで、本物の森づくりを――。大井町山田でブルーベリー園を営む小宮真一郎オーナー所有の山林で4月13日、「第2回いのちの森づくり植樹祭」が開催され、約50人の参加者がシラカシやウラジロガシなどの自然植生の木の苗木36種類500本を植樹した。
使用された苗木は、知的障害者の生活支援や就労支援を行う社会福祉法人進和学園(平塚市)の利用者がどんぐりの実から育てたもの。同法人では、横浜国大名誉教授の宮脇昭氏が提唱する「潜在自然植生」に基づき、2006年から「いのちの森づくり」プロジェクトと題し、苗木の栽培・販売による障害者の労働創出や、スギ・ヒノキなどの人工林に代わる自然植生の森林再生等に取り組んでいる。この考えに共鳴した小宮オーナーの計らいで、昨年4月に第1回の植樹祭を開き、敷地内の山林に苗木250本を植樹した。
2回目となる今回は、同学園の利用者や職員、一般公募の参加者らにより、敷地内の約120平方メートルで植樹が行われた。参加者は初めにクイズ形式の森講座や植樹方法のレクチャーを聞き、森づくりについての理解を深めてから植樹場所へ移動。自然の植生に近づけるため苗木を一本ずつランダムに植えて土をかぶせ、上から保湿などに役立つわらを丁寧に敷き詰めた。学園の就業支援を担う(株)研進の川下都志子さんは「学園の知的障害者にとって、大切に育ててきた苗木を今回のように健常者と一緒になって植えて、やがて大きな森になることは生きがいや働きがいにもつながる。今後も活動範囲をどんどん広げていきたい」と語った。
小宮オーナーは「今回の植樹から生まれた森は500年、千年後も残り、地域にとって憩いの場や防災にも役立つ鎮守の森になる。本来の森を再生するため、今後も毎年植樹祭を続けていきたい」と話している。
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