学校教育にタブレット端末などの情報機器を取り入れる「ICT(情報通信技術)教育」の環境整備を進める松田町で18日、教職員対象の講演会が行われた。ICT推進は、本山博幸町長の公約のひとつ。
講演会は、ICT教育の先進地として知られる佐賀県武雄市から、同市教育部スマイル学習課の稲田義邦教育指導主事を講師に招き、松田中学校の視聴覚室で開かれた。町内の幼・小・中学校の教職員80人と近隣市町の教育委員など計100人が受講した。
武雄市は本山町長の出身地。今年度にタブレットを約3200台導入し、市内の小学校全校で児童1人に1台を貸し出し、授業や家庭での予習に活用している。全国から視察が相次ぎ、今回の講演会も本山町長が5月に行政視察に訪れた際に講師の派遣を打診し、快諾を得たことで実現した。
講演会では稲田氏が武雄市でのICT教育の取り組みや、タブレット導入後の学力調査の成績が全国平均より高くなったことなどを解説。タブレットを使用した模擬授業も行われ、小テストで平均点や回答率などが瞬時に表示されると、感嘆の声があがった。
松田中学校の齋藤亮介教諭(34)は「SNSなどで武雄市の取り組みを知ってはいたが、実際に話を聞くことができて勉強になった。遠からずこうした時代は来るので、今から学んで積極的に活用を図りたい」と感想を述べた。
松田町では今年度予算に747万円を計上し、寄小・中学校の無線LAN整備工事やタブレットの購入(14台)、講師の派遣費用などに充てる。2018年度までに、町内の児童・生徒に1人1台の導入を目指す。8月19日現在の小中学生は738人。本山町長は「教育には、その時代に合ったものを検証し、取り入れていくことも必要。それが若者世代に受け入れられ、定住化や人口増加にもつながる。また今回を縁に、足柄上地域全体で連携してICT教育の推進に取り組んでいければ」と話している。
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