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足柄 人物風土記

公開日:2015.08.22

大井町で「創造教育」に取り組む
大津 孝佳さん
大井町金手在住 54歳

「足柄から想像する力を」

 ○…生まれ育った大井町を中心に「子どもたちの想像する力を育てたい」と、科学講座や電池自転車レースに出場する中学生チームのアドバイザーを務める。「足柄地域には様々な分野の企業が研究施設を構え、子どもたちへ創造教育を行う土壌がそろっている」と、その可能性を語る。鈴鹿高専の教授として三重県で取り組んだ「地域特性を活かした創造教育」を今度は生まれ育った故郷に還元しようとしている。

 ○…山梨大学大学院を卒業後に日立製作所に入社。ハードディスクなどの磁気記憶装置を25年にわたって研究した。2010年に鈴鹿工業高等専門学校、今年4月からは沼津工業高等専門学校に籍を移し、大井町から通いながら教鞭を執っている。鈴鹿高専時代には、モーターレースの聖地・鈴鹿サーキットを抱える鈴鹿市で子どもたちと科学を結び付ける活動に尽力してきた。三重県では社会教育委員も務めている。

 ○…「世代や分野が違う人が集まるとおもしろいものが生まれる」。西湘高校では理系、文系関係なく「ものづくりができる場所を」と物理研究部を立ち上げ、大学時代には山梨県で世代を超えたアマチュア無線のクラブも立ち上げた。理系の合理的な性格と思われがちだが、根本では人のつながりに大きな魅力を感じる人情派。「人のつながりが組織を作る。子どもの教育でも大井町には自分にできないことができる”良い人”がとても多い」。

 ○…子どもたちと接する際にはプラスチック製の「3Dブロック」を教材にする。3歳児でもできるブロック遊びはまず「組み合わせる」ことから始まるが、それに「動き」や「制御」などを段階的に加えていく先に自身の研究テーマである「ロボット&モビリティー」につながっていると力説する。「子どもたちに創造することのおもしろさを伝えていきたい」。生まれ育った故郷の地域特性を活かし、創造教育の芽を育てていく。

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