3月10日(土)に「もえぎ野センター」で講演会イベントを行う青葉区出身の将棋名人 森内 俊之さん 都内在住 41歳
将棋でふるさとに恩返し
○…人生初の将棋タイトルは、山内地区センターで開催された将棋大会だった。小学校高学年から出場できる大会に「出させて下さい」。将棋を始めて間もない、みたけ台小学校3年生の少年がまさかの優勝。「優勝できたことで、将棋がさらに楽しくなって」。当時を懐かしそうに振り返る。『鋼鉄の受け』―。穏やかで謙虚な人柄が印象的だが、棋風は”鉄壁”のような受けで攻めを凌(しの)ぐことから、この異名を持つ。そんな将棋名人の原点がここ青葉区にあった。
○…ドラマで将棋ブームが起きた小学校3年の時。「友達と遊び感覚で始めましたが、一気にのめりこんで」。東京千駄ヶ谷の将棋会館に通い始めた。いつしか父親も友達も負かし、「もっと強い相手を」と大人に挑戦状を突きつけた。16歳でプロの道へ。好きな駒は縦横に動かせる『飛車』。絶対に取られるな、と小学校時代の教訓が今も生きる。昨年、同い年で小学生の頃から良きライバルだった羽生善治棋士から名人を奪取。4期ぶりに返り咲いた。
○…趣味はクイズ。プロの活動が本格化する高校卒業の時、「大学に行かないのなら勉強を」。新聞をひたすら読み知識を得た。20代でテレビ番組「パネルクイズ アタック25」に挑戦者として出演。二度目のトライとなった30代の時、見事優勝した。クイズも将棋に似ている。「地道な積み重ねがあってこそ花開くもの」
○…虫に気を取られ道草した少年時代。『寺家ふるさと村』『こどもの国』の思い出が甦る。名人に返り咲いた時、喜んで故郷の講演依頼を引き受けた。また今春、青葉区生活が約20年ぶりに始まる。「将棋をする子どもが増えているのを各大会で実感しています」。講演会を手伝うもえぎ野中学校も昨年、東日本大会に出場。「5歳の息子も遊び始めました」と微笑む。4月から立ち上げの一人として、藤が丘地区センターで将棋教室を開校。「育った街で自分ができることをしたい」。地域交流の第一歩が始まる。
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