市ヶ尾高鈴木真由子さん 迫力ある書で頂点に 県最優秀賞受賞し全国へ
市ヶ尾高校書道部に所属する鈴木真由子さん(2年)がこのほど、神奈川県高等学校総合文化祭書道展で最優秀賞にあたる教育長賞を受賞した。同大会には県内から70校、計1341点が参加。「これほどまでに大きな作品を書いたのは初めて。受賞はすごく嬉しい」と鈴木さんは喜びの表情を見せる。8月には、長崎県で開催される全国大会に出場する。
受賞した作品は、「字のかすれ具合が格好良くて書こうと決めた」と振り返る、竹に書かれた札「漢簡(かんかん)」を模写したもの。縦約350cm、横約140cmの作品。紙を張り合わせるだけでも5分はかかるという自身初の巨大な書道作品で挑戦し、県の頂点に立った。
「腰痛になりながら最低千枚は書きました」と、体力勝負で練習を重ねた鈴木さん。手本となった作品をさらに迫力ある字にしようと、独自にかすれの風合いや迫力ある字を追究。「良いかすれを出すには、空気を入れるようにねじらせて”筆を開く”のがポイント」と話す。
作品には、直径約3cm、毛の長さ約14cmの高級品とされる羊毛筆を使用した。高校1年の時、書道コンクールで特別賞を受賞した際、祖父母からプレゼントされたものだ。「正直、自信がなかったので、受賞は想像できなかった。今回の受賞は、祖父母への恩返しとなりました」と笑顔を見せる。
全国大会では、同大会規定サイズ最大の作品、縦約240cm、横約90cmの用紙で書き下ろす。「良い結果が出るようさらに練習を重ねていく」と意気込む。
常識変えた高校書道部
小学校2年生から書道教室に通い始めた鈴木さん。「字がかすれてしまうのは良くないと思っていたけれど、それがまた味になるとわかった」と高校書道部では、それまで学んできた書道の概念を覆されたという。筆の入り方や字のとめ、はねに対する常識も変わった。高校入学以来、ダイナミックな字を書きたい思いが俄然強くなったという。
「とにかく部活が楽しいから続けていられる」と現在、部長を務めている鈴木さん。同部は今大会、門司萌花さん(2年)と植松真穂さん(2年)が会長賞を受賞。門司さんは、鈴木さんとともに昨年、区内各地で開催された東日本大震災復興イベントで掲げられた文字「絆」を書いた。また、団体部門では、同校書道部が学校奨励賞を受賞し、”書道の市ヶ尾”としての実力を発揮した。
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