青葉区 人物風土記
公開日：2014.12.04
国学院大学硬式野球部の投手で、巨人への入団が決まった
田中 大輝さん
国学院大学4年 22歳
「今」できることを全力で
○…「あの雰囲気は、もう嫌ですね」。プロ野球のドラフト当日、自分の名前が読み上げられるまでの待ち時間をそう振り返る。落ち着いた口調で、ポーカーフェイス。それでも４位指名を受けた瞬間の話になると「興奮しました」と表情が緩む。多くの友人、知人から続々と祝福を受け「徐々に実感が湧いてきた」。
○…出身は熊本県。小学４年のとき、幼なじみの先輩に誘われて地元の少年野球チームへ。高校時代は野球漬けの毎日。２年秋以降は、自宅からグラウンドまでの片道14Kmを走って通学した。３年春の県大会は準優勝。夏は準々決勝で敗れ、甲子園のマウンドは叶わなかった。「先のことより今を、目の前の試合を大切にしなければいけないと痛感した」と悔しさをにじませる。
○…高校時代からプロへの思いはあったが、「大学で４年間やってからプロに」と国学院大学に進学。３年までは怪我などもあり、なかなか登板することができなかった。飛躍するきっかけとなったのが、１学年先輩の杉浦稔大投手（現ヤクルト）への相談。「身体の使い方を意識することの大切さを学んだ」。トレーニング方法を変え、自分の身体に合ったフォームを体得。「思いどおりのボールを投げられるようになり、結果を出せる自信が生まれた」。４年の春は７試合に登板し、２完封をあげ東都リーグのベストナインに選ばれた。注目度が一気に上がり、プロへの意識が高まるものの、夏場の海外遠征で肩を痛めて秋季リーグは未出場。ドラフト前は「不安が大きかった」が、プロからの評価を勝ち取った。
○…練習場があり、合宿所に近いたまプラーザ周辺では「息抜きができる」と、仲間と食事や会話を楽しむ。目標は「20年後も活躍している息の長い選手」。そのために「ファンや周りの人に信頼される選手になりたい」と微笑む。好きな言葉は「前後際断」。プロとして、全力の「今」を積み重ねる日々が始まる。
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