歴史探偵・高丸の「あお葉のこと葉」ファイル vol.10 「へろくり」
新型コロナウイルス感染拡大防止のための在宅テレワーク。終日家族と一緒に過ごしていると、「ちょっと夕飯の支度を手伝って」とか「洗濯物干してよ」なんて、雑用を頼まれる。小さなお子さんがいる家庭なら、子守りもしなければならない。そんなことが重なると、「あ〜仕事が全然はかどらないよ〜」と、ため息がもれる。ため息ならいいが、「こっちは遊んでんじゃないんだよ!」なんて怒鳴ったりした日にゃ夫婦げんか勃発!家庭の崩壊を招くことにもなりかねない。
関東では、そうした本業以外の雑事、細かい仕事のことを「へろくり」といった。「へろくり仕事が多くて今日は疲れちゃったよ」などと使う。語源は不明。「ヘロヘロ」になるほど仕事の「やりくり」が大変!意外とそんな単純な由来かもしれない。
「へそくり」の語源なら分かる。ヘソは臍、つまり腹巻の中にお金を隠したから…という説は真っ赤なウソ。麻糸を巻きつけた糸巻き束のことを「綜麻(へそ)」と呼び、その綜麻で糸を「繰る」内職をして得たお金のことを「へそくり金」と呼んだのがはじまりだ。
へろくりで余計な時間を費やすことを「ひまっかき」ともいう。こちらは、暇(いとま)がない=暇(ひま)欠きが語源だ。基本、在宅ワークの農家では「へろくり仕事」は日常のありふれた光景だったのである。
座りっぱなしのテレワーク、家事は「固まった足腰」のエクササイズと思えば苦にもならない。「へろくり、へろくり」と唱えながら機嫌よく家事を手伝えば、カミさんの「へそくり(財布)」の紐も緩み、晩酌のレモンサワーもワンランクアップ!夫婦円満、家内安全まちがいなし!巣ごもりは「へろくり」で快適に!
(つづく)
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