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青葉区 コラム

公開日:2023.06.22

コラム「学校と社会をつなぎ直す」㉗
「子どもに青天井の未来を」の意味
桐蔭学園理事長 溝上慎一

 昨年、私の恩師・梶田叡一先生が瑞宝重光章を受賞され、この春に弟子たち、関係者でお祝いのパーティーを開いた。梶田は、今日当たり前になっている形成的評価を日本の学校教育に導入したことで知られる。今回は梶田がその席で話した「子どもに青天井の未来を」について紹介する。

 梶田は「子どもに青天井の未来を」とよく説いた。「子どもに無限の可能性を」と説かれるものでもある。学者の中には子どもの能力には個人差があって、「青天井の未来」といった非現実的な理想論を振りかざすなと批判する人もいる。しかし、そこでの「能力の個人差」というのは、他者と比較しての能力(個人間(・)比較)であり、梶田が説くのは、それまでできなかったことができるようになるという意味での個人内(・)比較である。その意味で、いかなる人にとっても能力の向上に天井はない。世の中で見た時に、どんなにできる人でも、できない人でも常に目指すべき能力向上の「上」はある。それが梶田の主張であった。

 私たちは、すべての人に成長の可能性があることを、個人内比較という意味で堂々と説きたい。この視座においては勝ち組、負け組も関係ない。そのような子どもの能力の向上を促してあげられる学校現場でありたい。家庭も職場も然りである。きれい事、理想論ではない。確かな理論に基づいた実践的視座である。

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