青葉区 人物風土記
公開日:2023.08.10
青葉区古文書之会の代表を務める
割石(わりいし) 洋策さん
緑区在住 78歳
「埋もれた声」に光を
○…山内地区センター主催の「初心者のための古文書講座」の受講生を中心に、2002年に発足した「青葉区古文書之会」。その4代目代表として、13人の会員をけん引する。旧都筑郡の古文書を中心に、埋もれた「地域の人の生の声」を掘り起こし、次の世代に伝えていくことが会の目的。解読した古文書は「研鑽之足跡」と題した資料としてまとめ、地区センターや図書館などに寄贈している。その数はすでに6冊に及ぶ。「古文書に少しでも興味を持ってくれる人が増えたら」と柔和にほほ笑む。
○…徳島県の出身。幼い頃、実家に保存されていた古い書物に興味を持つも、くずし字が全く分からず、すらすらと読む父の姿に憧れた。大学進学を機に上京。仕事が落ち着いた50代に、古文書を勉強したい欲が沸々と湧いてきた。定年後は大学で古文書解読の一般講座を受講。2008年に古文書之会の門を叩いた。以来、月に2回、山内地区センターに集う。「読んだ古書は数知れずだね」と振り返る。
○…大学時代は空手部。今も週に2回はスポーツジムに通い、体力の維持に余念がない。山登りも社会人時代からの趣味で、今でも丹沢周辺にふらっと出かけることも。「歴史を頭の片隅に入れながらだと、どこに行っても色々な発見があって面白いよ」
○…子どもの頃は読めなかった実家の書物。知識を積み、ようやく読めるようになって知ったのは、曽祖父が船を使って日本中で商売をしていたこと。「帳簿を解読したら、様々な地域との契約書などがあって。リアルに当時を体験できる気がする」。一説によれば、解読されていない古文書は20億点あるとか。知らないものを見つけられるチャンスを求め、今後も解読の旅は続く。
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