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青葉区 社会

公開日:2023.11.02

身寄りない高齢者の支援
すすき野団地で実証事業

 住民や組織の高齢化によって孤独・孤立が進み、これからの日本の縮図ともされるすすき野団地-。身寄りない高齢者らが抱えている不安を、誰がどのように解決していくのか。同団地で住み続けるための「個・孤の時代の人生ケアシステム」の構築を目指した実証事業が同団地で行われることとなった。

 旧すすき野小学校で10月10日、説明会が開催された=写真。事業に取り組む介護事業者や終活事業者など任意団体で構成された「個・孤の時代の人生ケア会議」が住民や関係者らに今後の実施計画について説明した。

 現在、築50年になる同団地には820戸に約1400人が暮らし、高齢化率は50%近い。同団地の住民らで構成された(一社)団地暮らしの共創の小柴健一代表は「団地の高齢化が進み、様々な問題を住民だけで解決するのが難しくなってきた。実際に民生委員が把握しきれていない認知症で高齢の独居者の増加や団地内で孤独死が起きているのも現状」と話す。

 実証事業では、独居など家族から支援を受けられない高齢者に「アドボケーター」という支援者をつけることが主となる。アドボケーターは、本人の意思決定支援の役割を担い、判断力が衰える前から、病気になった際に希望する治療法や逝去後の対応など聞き取りを行う。また、入院や施設の入所、逝去時の葬儀会社との対応も担うという。これまで、同様の役割をケマネジャーらが業務を越え対応していたケースが多く存在しているのも実状。実証事業ではアドボケーター役に社会福祉士や看護師を想定し、行っていく予定だ。

 実証事業に対しての住民への聞き取りと参加者を募るため21日に住民向けの研修会が行われた。今後は11月に2回開催を予定している。また、実証事業を通じて必要な費用や誰が情報を管理していくのかを探りながら、政策提言を行う予定だ。

 同会議の黒澤史津乃代表は、「本人に代わって意思決定をする家族がいない人が増えてきている。誰ひとり取り残さない社会、経済を目指して最後まで安心して暮らすにはどんなケアシステムをつくる必要があるか考えていきたい」と話す。

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