木によるリトグラフの伝道師として寺家回廊で展示する 澤岡 泰子さん みたけ台在住 84歳
「モクリト」を世界へ普及
○…油と水の反発を利用した印刷方法である「リトグラフ」。石版やアルミ版などが主だった同技法に、木を用いた新たな版画技法を考案したのが小作青史名誉教授だった。同氏の教えを受け、自ら「MOKURITO(モクリト)」と名付けた新たな技法を世界各国で普及し続けている。「木目によって異なる温かみがあるモクリト」の虜になって約40年。寺家回廊でも第1回から展示を続けている。
○…北海道出身、女子美術大学への進学を機に上京。電気メーカーに就職し、プロダクト開発に携わっていたが、結婚を機に場所を選ばないアーティスト活動をするように。その時、街中で遭遇した小作教授が嬉しそうに見せてくれたのが「木のリトグラフ」。新しいものに目が無く、「これが求めていた版画かもしれない」と衝撃を受けた。これまでの制作作品はシリーズごとに「記憶の華」「記憶の風景」など数知れない。「木であれば、どんなものでもいいの」とアイデアは溢れるほど湧き出てくる。
○…20年前に初の海外個展を開いて以来、ポーランドは第2の故郷。弟子も多く育つ。昨年には王宮博物館で展示会が開催され、67点が収蔵された。また、難民支援として14作品を寄贈し、売上全額を寄付した。「私の作品が役に立てるなら、うれしい」と笑顔。国内でも長年にわたって、児童養護施設などでワークショップを行ってきた。
○…病弱で学校に通えなかった幼少期。だからこそ「好きこそ物の上手なれ」と伝えてきた。中学生で出会った夫、娘に息子も研究者や作家、陶芸家としてそれぞれ活躍する。「自分の好きな事を見つけられるタイミングは人それぞれ。でも、続けられていたらそれは好きな事よ。そこが自分の居場所にもなるの」
〈神奈川県後期高齢者医療広域連合からお知らせ〉【75歳以上の方が対象】いざ、健康診査へ!今こそ自分の身体を見つめなおす時 |
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