青葉区 コラム
公開日:2026.10.08
寄稿連載Vol.56 大山街道を行く 文 横溝潔(郷土史家)
上谷本の富士塚
石原邸の前が旧大山街道の跡とは前回触れたが、高台である。見晴らしが良い茶屋の感じは今でもある。だが、この先の道筋となると途方にくれる。
地元の方のお話では、開発以前の大山街道はこの先の恩田までは山の中の道で人家もなく、真っ直ぐではなくねくねと曲がっていたという。昭和30年代までは「追い剥ぎ」の出る寂しい山道だったという。
『中里郷土史』(昭和44年刊)には、「道幅は上谷本、下谷本の明治三年明細帳に平均三間と記され木に覆い被さっている大山街道の風景をのせている。かすかに道跡が見えているようだ。
また、郷土史家の戸倉英太郎氏は自著の「都筑の丘に拾ふ』(昭和30年刊)の中で「大山街道は東海道の裏街道として交通が頻繁にあった上に又夏になれば富士大山講の団体が白衣に幟を押立て鈴の音も高く陸続と通行した、道者達が来ると近在の子供等が之に追いすがって撒銭をねだる、それはそれは賑やかなことであったそうだ」と語っている。
旧の大山道はマンションやアパートや戸建て住宅などになっていると地元の方が教えてくださる。前回ふれた昭和8年に造られた道を行くと登りつめた高地の左にもう一軒の茶店の跡(広田家)という。今はビルになっている。おせんべいが名物だったという。
さらに行くと下りになり左手に藤が丘地区センターがある。道は下り、突き当りを左折すると国道246号のアンダーパスに向かう。
だが、大山街道は先程の茶店から国道246号の高さにつながっていたのだという。その先の道跡は消えてしまっているが、国道246号沿いのヤマダ電機あたりに続く。そのあたりあったのが、上谷本の「富士塚」である。
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