旧霧が丘第一小跡地 売却先取り消し、再審査へ 住民監査請求の結果受け
横浜市は1月28日、タクトホーム(株)(東京都西東京市)に決まっていた旧霧が丘第一小学校跡地(霧が丘6の13)の売却先を取り消し、再審査をすると発表した。2012年11月の市会議員による住民監査請求の結果で、公募審査委員会の設置方法に問題があったと判断されたためとしている。
2006年に近隣小学校の統廃合により廃校となった旧霧が丘第一小の跡地を巡っては、市が2008年、公募審査委員会を設置。学校法人に限定し売却事業者を募集した。しかし、売却先に決まった学校法人側が経済状況の悪化を理由に辞退した。2011年には学校法人以外にも条件を緩和し再公募。同年12月、市は住宅販売会社のタクトホーム(株)への売却を決定したが「市の説明が不十分」などとし、一部の跡地周辺住民や市会議員が売却に反対していた。
「審査委は違法」の判断
2012年11月には、市会議員が、本来は市議会の承認を得た条例に基づき設置されるべき審査委員会が、財政局により設置されたことは、地方自治法に違反している、と指摘。審査委員への報酬が不当利得にあたるとして、市長に対して報酬の返還を求める住民監査請求を出した。
1月22日に公表された監査結果では「有識者として審査委員会に出席して審議をし、事業予定者を選考したとして委員としての役割を果たしているので不当利得にあたらない」とし、請求が棄却されたが、審査委員会については、条例に基づき設置すべきもので、違法であると判断された。
市では、条例に基づいて設置した委員会により、審査をやり直すため、事業者決定を取り消した。
跡地周辺の霧が丘六丁目自治会の杉崎俊一会長は「売却先取り消しは、私たちが訴えてきたことが一つ形になった」と話している。また現在、反対住民が売却中止などを求める請願を市会に提出するとともに、市を相手取り住民訴訟も起こしている。
市「推移を見守る」
霧が丘周辺では、売却に反対する声がある一方で「このままの状態にしておくよりは、跡地を有効に活用したほうがよいのでは」といった声も聞かれている。霧が丘連合自治会では、現在訴訟中であることから、静観する姿勢をとっている。
市財政局は今後について「現在、住民訴訟が提起されており、市会においても同趣旨の請願が継続審査となっていますのでこれらの推移を見守りながら検討していきたい」と話している。
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