白山高校美術科3年生の卒業制作が並んだ「白山美術展〜MIXSING〜」がみどりアートパークで10日から13日までの期間に開催された。
会場の入り口で、訪問者を出迎えたのは、同校美術科3年生39人の自画像画だ。自身の写真を見ながら、約6時間かけて生徒がえんぴつで模写したという。
同校美術科では、3年生になると、伝統工芸、立体造形、デザイン、平面表現の4つの専攻に分かれて学びを深める。
会場に溢れる力作
今回は、専攻ごとの卒業制作がそれぞれのスペースに並んでいた。
伝統工芸のスペースでは、染付の大皿や穴窯で焼いた茶碗などが並んでいた。穴窯で焼いた茶碗を作った酒井春さんは「3年生になってから様々な土の種類で作品を作るようになった。土によって、色味や質感が変わることに気が付いた」と振り返った。
立体造形のスペースでは、自刻像や、野菜や果物をモチーフにした木彫などが並んでいた。パイナップルの木彫を作った今福匠杜さんは「パイナップルの多様な模様を忠実に再現できるように一生懸命工夫した」と話した。
デザインのスペースでは、川崎市の地域PRのポスターや、文房具の会社のイメージや商品デザインなど多岐にわたるデザインが並んでいた。
財布などのデザインを手掛けた加藤舞さんは「実際に商品にデザインされた時、どのようになるかをしっかりイメージしながら描いた」と笑顔を見せた。
平面表現のスペースでは、アクリル画や油絵の作品が多数飾られていた。松澤薫さんが描いた油絵のテーマは「みる」。鳥のはく製やバレーボールなどをモチーフにして絵を描いている自身の状況を油絵に表現した。松澤さんは「バレーボールのテカテカした表面を忠実に再現するのに苦労した。完成までに3ヵ月かかったが、とても達成感がある」と自信をのぞかせた。
感嘆の声が漏れる
地域住民や同校の卒業生など多くの人が来場。力作が並んだ会場では「素晴らしいね」「この絵、本当に綺麗だね」などの声が聞こえた。また、生徒は、自身の制作した作品の意図などを来場者に伝えていた。
「成長の場になった」
同校美術科の藤岡邦枝学科長は「生徒は、一生懸命卒業制作を完成させていた。このように美術展を開催できるのはうれしい。これから生徒が美術を社会へ活かしていく、発信していく、第一歩になれば。生徒も多くの人に意見を頂いて、成長の場になったと思う」と美術展を振り返った。
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