新治小学校で8日、卒業生の苅谷君代さん(62)が6年生に向けて授業を行った。
苅谷さんの視力は右目0・01のみで外出時に白杖が手放せない。
長年、短歌を詠んでおり、昨年には第五歌集となる「白杖と花びら」を出版。目が不自由な日常など、生活のありのままを詠っている。
授業の前半には、目の不自由な人の気持ちや接し方を児童に伝えていた。「街で道を尋ねられた時に『あそこです』などではなく、『まっすぐ〇メートル歩いたら、信号を渡って右に』などと目が見えなくても分かるように具体的に伝えてほしい」と伝えると、「もし、街で困っている視覚障害者の方を見かけたら、どう声をかけたら良いですか」など児童は質問を交えながら積極的に授業を受けていた。
後半では、読売新聞のコーナー四季に掲載された自身の短歌などを紹介。駅のホームで突き飛ばされた経験を詠った「駅のホームに突き飛ばされし一瞬よ空に地があり地に空があり」。苅谷さんは「駅のホームは目の見えない人にとって、不安な場所」と児童に説明していた。
最後には、『白杖と花びら』に収録されている「球根はひとつの宇宙てのひらにわたしは宇宙をそつと載せたり」を紹介。「球根は、命そのもの。そして限りない可能性を秘めた宇宙。それは、ここにいるみなさん自身。これから、一人ひとり美しい花を咲かせてくださいね」とメッセージを送っていた。
授業を聞いていた東海林(しょうじ)伶さんは、「目の不自由な人の気持ちを知ることができた。短歌も心に染みた」と話した。また、高林莉乃さんは「白杖を持っている人に街で出会ったら、声をかけたいと思った。短歌は、例え方が上手くて、分かりやすかった」と笑顔を見せた。
緑区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|