長津田の戦争体験者の声を集める 佐々木 京子さん 長津田在住 60歳
戦争体験者の声、後世へ
○…同居する父と自宅の大掃除をしていると、出てきた古い段ボール。開くと、志願兵だった父の兄が出征先から実家に送った17通の手紙があった。伯父は、フィリピン・レイテ島で戦死したと聞いていた。手紙を読むと、若くして、死を覚悟した無念さがひしひしと伝わってきた。それ以来、父からも戦争の話を聞くように。知らなかった事実もあった。高齢化する戦争体験者。「今、声を聞かないと。そして、後世に伝えなくては」と、長津田で地道に声を拾い集めている。
○…長津田生まれ。高校卒業後、メーカーに入社。結婚すると、寿退社するのが当たり前だった時代。「せっかく、良い会社に入ったのだから。続けなさい」と面倒見の良い大家が子どもを預かってくれたという。「家族も職場も。みんな協力的だった。本当に恵まれていた」と振り返った。2人の子どもを育て上げ、現在も同じ会社でいきいきと働いている。
○…年を重ね、地域のために何かしたいという思いが募った。駅のチラシを見て、飛び込んだ区民向け講座「みどり『ひと・まち』スクール」。地域を盛り上げたい人達に囲まれ、自身も「長津田の街を元気にしたい」と夢を持つように。高齢者から戦争体験を聞いていると、いつしか話は脱線、会話に花が咲く。「とっても元気におしゃべりしてくれる方々が多くいてうれしいです」
○…「玉音放送を聞いて何を感じたか」。今、集めている声を7月にあるイベントで発表する予定だ。また、調べていることを戦後80年に向けて、冊子にまとめたいのだという。好きな言葉を聞けば「継続は力なり」。その言葉の通り、こつこつと地道に、活動を続けている。「戦争を二度と繰り返さないためにも頑張らなきゃね」
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