横浜市は6月2日、2024年度の市内における児童虐待の対応状況について発表した。市全体での対応件数は1万3421件で、過去最多だった23年度に比べ614件減少した。ただし、こども青少年局こどもの権利擁護課では「依然として高い水準にある」として注意を呼び掛けている。
横浜市における児童虐待の対応件数は年々増加傾向にあり、19年度に初めて1万件を突破。20年度は1万2554件で過去最多を更新した。21年度は減少したものの、22年度は1万2977件に。23年度は前年より8・2%増え、初めて1万4千件台に達した。24年度は3年振りの減少となったが、過去2番目に高い数値となっている。
警察からの通告増加
通告・相談の経路別の件数を見ると、目立つのが「警察等」からの4691件。前年度に比べ240件増で全体の35%を占める。さらに「幼稚園」(115件)は前年に比べ18件増、家族・親戚(1495件)は28件の増加となっている。一方、「学校」(2016件)は前年比109件、「近隣・知人」(767件)は前年比171件の減少となった。
警察などからの件数が増加したことについて同課では、警察と児童相談所の連携強化を理由に挙げる。例えば夫婦げんかやDVなどの通報で警察が出動した際、現場に子どもがいた場合は心理的虐待の恐れがあるとして、児童相談所に通告するように取り決められているそうだ。
乳幼児の件数が減少
年齢別の件数を見ると0歳が前年比85件減の690件、1〜6歳が前年比459件減の5099件。年齢の低い子どもへの対応件数が大きく減少している。同課では「新生児の人口が減少していることが大前提」としながらも、「進めてきた子育て支援策が負担の軽減につながり、虐待の未然防止に役立っているのでは」としている。
相談種別では、心理的虐待が7038件と全体の52・4%、次いでネグレクトが3187件で23
・7%を占めるが、ともに前年より減少している。一方、身体的虐待(3066件)と性的虐待(130件)が前年からそれぞれ32件、6件の増加となった。
市では21年度から22年度にかけて、全18区のこども家庭支援課に「子ども家庭総合支援拠点」機能を整備。関係機関との連携等に力を入れてきたことにより「早期発見の重要性が広まり、相談や通告をしやすい体制が整ってきた」とする。
また、子育てに関する相談窓口リーフレットなどを作成し、各区の区民まつりで配布するなど、子どもとの適切な関わり方について周知を進めている。同課では「体罰によらない子育てを推進するため、引き続き対策と啓発に力を入れていきたい」としている。
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