緑区 文化
公開日:2025.07.17
初公開資料も多数
子どもの被害にも焦点
横浜都市発展記念館で特別展
横浜都市発展記念館(中区日本大通12)で7月19日(土)から、横浜の戦後を紹介する特別展「戦後80年戦争の記憶―戦中・戦後を生きた横浜の人びと―」が始まる。特別展は、横浜市民が受けた戦争の影響や空襲被害の実相など、これまで同館が調査・寄贈された資料などで紹介している。
空襲直後の横浜描く
横浜の空襲直後の絵は、中区の老舗花屋「花松」の3代目店主で、画家の横山清治さんがその場でスケッチしたもの。戦時中の日本では、一般市民が空襲被害を記録することは厳しく制限されており、警察や軍に見つかれば処罰される恐れがあった。横山さんは、学童疎開中の娘に空襲後の状況を伝えるため、危険を冒し素早くスケッチ。帰宅後、記憶した光景を加えて絵を仕上げたという。絵には被害を受けた町の様子やバラックに住む人々の姿が描かれており、空襲被害の実態を後世に伝える貴重な資料となっている。
展示では戦後の占領期も続いた戦争の実態として、子どもたちの被害にも焦点を当てている。
戦後間もない横浜には多くの戦争孤児がおり、その保護に関わった民間施設「唐池学園」の当時の様子を伝える資料が初公開される。また、占領軍が駐留した横浜では、兵士と日本人女性の間に生まれた子どもたちの多くが孤児となり、「GIベビー」と呼ばれ、差別や偏見に苦しめられた。子どもたちを国内で最も多く保護した「聖母愛児園(当時中区山手町)」と分園の「ファチマの聖母少年の町」を含め、資料から子どもたちへの戦争被害を知ることができる。同館主任調査研究員の西村健さんは「資料から戦争の被害は親を亡くした子どもたちなど、弱い立場の人々を何年にもわたり苦しめていたことがわかる。『GIベビー』として生まれた人たちは今でも厳しい状況に置かれており、戦争が一般市民にもたらす惨禍について考えるきっかけになれば」と思いを語る。
大学生まで土曜無料
特別展は9月28日(日)まで。開館時間は午前9時30分から午後5時。休館は毎週月曜(祝日の場合は翌平日)。観覧料は一般800円、小中学生および市内在住の65歳以上は400円。毎週土曜日は小・中学・高校・大学生は無料。(問)同館【電話】︎045・663・2424。
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