緑区 文化
公開日:2025.07.22
港北区
90代生徒もイキイキ演奏
創立25周年 矢上琴陽会大正琴愛好会
両手の指先を使い、左右別の動作で演奏するため、「認知症予防」にもなるという大正琴。弾くのは童謡や演歌、歌謡曲などさまざまだ。創立25周年を迎え、今年4月に港北区民文化センター「ミズキーホール」で記念発表会を開催した矢上琴陽会大正琴愛好会(松井琴嶺松会主)では、「琴を陽気に楽しむ」をモットーに平均年齢70代後半の生徒らが、和気あいあいと月2回の練習に励んでいる。会場は、港北区日吉にある季節料理「松乃井」の店内だ。松井会主が店主を務める同店で、営業が休みの水曜日午後に店舗を開放。その日は、店の外まで、大正琴の心安らぐ爽やかな音色が聞こえてくる。
25年の間で、多い時には50人近くの生徒がおり、「その時はさすがに店には入れないから、近くの会館で練習していたよ」と松井会主。コロナ禍で、人が集まることができなくなった時期を経て、生徒数が減っていったが、今では6、7人の生徒らが、演奏のほか、休憩時のおやつやおしゃべりを楽しんでいる。
そんな中、創立当初から演奏の研鑽を積んでいる2人のプラチナ女性が、近くに住む岩澤ヒデさん(91)と山野井藤江さん(90)だ。
民生委員を12年務めた岩澤さんは同会でも生徒たちのまとめ役。友人に誘われて同会の体験会に参加し、大正琴の虜に。「下手の横好きだけどね」と言いつつ、常に新しい曲に挑戦することを楽しんでいる。またコンサートでの舞台衣装を縫製するなど、”お姉さんぶり”を発揮している。
「昔は全国大会の舞台にも立った。良い思い出よ」と振り返るのは山野井さん。上手に弾けた時は、何事にも変え難いうれしさだと笑顔を見せる。「練習を怠るとすぐに弾けなくなる。やらなくちゃ」と気合いを入れる姿は、周りの生徒の手本となっている。
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