歌集『むつのひかり』を出版した 下田聰子(としこ)さん 新吉田東在住 79歳
「故郷があって良かった」
○…1985年から2012年の約30年間の間に詠んだ約700首の歌を歌集『むつのひかり』として、このほど本にまとめた。市内を中心に短歌を詠む活動を行う「沙羅短歌会」に14年前から所属、同会の主宰者から推薦を受け出版に至った。「まさか自分がという気持ちです。不安に思っていたら『大丈夫だからやりなさいよ』と、周りが励ましてくれた。本当に助けてくれた皆さんのおかげですね」
○…「稲穂はや頭たれそめし古里のむつのひかりは目に沁みる景」。本のタイトルにもなった歌で、特に思い入れが深いという。「新幹線で故郷の岩手に向かう時、窓から稲穂を見て田舎に近づいてきたな、という気持ちを詠みました。先生から助言もいただいたので特に心に残っています」。所属する同会では、毎回事前に2首の歌を作り、皆で感想を言い合う。詠む歌は日常の景色や、ふと思い浮かんだこと。「短歌はある程度の分量で自分の気持ちを表せる。頭の体操に、楽しんでやっています」と飾らず柔らかく語る。
○…幼少時代は川崎市で過ごす。1944年、太平洋戦争が激しさを増す中、岩手県の親戚の家へ疎開をした。「大変な時代でしたが、子どもだった当時、助け合って仲良く暮らした思い出のある岩手県が私の故郷。半世紀経っても親しくしてくれる兄弟や友人がいる。その優しさが身にしみます。故郷があって良かったと思います」としみじみ。自らの歌の原風景となっているようだ。
○…子どもたちも独立し、孫が遊びに来ることが楽しみの一つ。夫と早渕川のほとりをよく散歩するなど、家族の時間も大切にしている。「今の自分があるのは先生やお仲間、故郷の人たちのおかげ。これからも歌の勉強をしていきます」と穏やかな口調で話していた。
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