目が見えないなか教壇に立つ教員がいる。神奈川県立岸根高校の黒澤さんだ。
幼少期から弱視で、中学生時代に全盲になったという黒澤さん。「点字や歩き方などに慣れるのに必死だったが、結構楽しかった」と話す。その後、大学で教員免許を取得すると、卒業後は英語科の教員として生徒たちを指導し現在に至った。
日頃の仕事は、ボランティアの人々に点訳してもらった教科書やスクリーンリーダーと呼ばれるパソコンの読み上げソフトを使い行う。また、現在では学校でICTの活用も進んでおり、生徒達とのやり取りも多彩なツールを使って実施。今年度担任を務めるクラスでは、日直の生徒に日々の学級日誌をメールで送ってもらい、黒澤さんが質問を交えて返信しているという。「生徒も忙しい中、返信をしてくれること自体が嬉しい。コメントを読むと人となりも伝わってきて、私にとっても良い勉強になる」と貴重な交流の場となっている。
自身を「目が見えない以外は、ただの人」と言う黒澤さん。白杖を使って歩くなどは、周囲からは多大な苦労に見えるかもしれないが、自身にとっては大したことではないという。「もちろん周囲の助けが必要な場面はあるが、それは誰しもに訪れるし、私が助ける場面もある。子どもたちも、困っていれば誰もが助けを求めることができ、困っている人には自然に支えの手を差し伸べられるような社会をつくってほしい」と思いを口にした。
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