港北区 社会
公開日:2023.06.15
開設20年迎えた多目的遊水地
新横浜公園 役割しっかりと
台風2号による鶴見川氾濫抑え
前日から降り続いた大雨が止み、日が差してきた6月3日午後2時ごろ、新横浜公園の広場やグラウンド一面に水浸しの光景が見られた。これは鶴見川から水が流入したものだ。治水対策として整備された多目的遊水地の中に建設された同公園。大雨が予測された前日から公園閉鎖を決定していた。
鶴見川流域は古来から洪水被害が多く発生する地域であり、治水対策が大きな課題となっていた。下流地域だけで取組みをしても川の氾濫を制御しきれないため、中流域での対策として建設されたのが「鶴見川多目的遊水地」である同公園だ。2003年6月15日に運用を開始し、今年20周年となる。
河川が増水した際に一時的に河川の水を溜め、氾濫被害を低減させる機能を持つ。増水時、河川の水かさが増えた場合、越流堤を越えて公園に流入するように設計されている。また公園内にある日産スタジアムは高床式の形で建設されており、大規模な増水時はスタジアム下の駐車場スペースにまで水が流れ込む仕組みになっている。公園全体で湛水(たんすい)エリアが分けられており、スタジアム北側のスペースから順番に水を溜めることができる構造になっているという。
遊水地を管理する鶴見川流域センターによると、年に1〜3回、大雨や台風などで湛水しているが、2014年10月6日の台風18号の時は鶴見川流域に300mmを超える大雨が降り、同遊水地に15回目の流入があったという。その時の流入量はおよそ153万6000㎥で、東京ドーム約1杯分、運用を開始して以来の最多量を記録した。最近では2021年9月に台風14号による大雨の影響で湛水。今回はそれ以来2年ぶり、23回目の実施となった。
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