箕輪町の小嶋陽子さん(74)は自宅敷地に建てたギャラリーと、和と洋をテーマに整備した庭を無料開放している。楽しい場所をつくって地域の役に立ちたい――。そんな思いが実を結んだ憩いの場を拠点に、人と人との交流の輪が広がっている。
開放されているのは、Mini Gallary Kojima(ミニ・ギャラリーコジマ/箕輪町3の16の24【携帯電話】090・2403・6055)。町内の清掃活動等に参加するうち「地域への愛情が深まっていった」という小嶋さんが、数年前の自宅建て替えの際、夫に頼んで実現した多目的ホールの呼称だ。
庭づくりは、身体が不自由で外出機会が少ない夫の「桜が見たい」という一言がきっかけとなり本格的に始めた。
ホールが完成した後、庭とともに地域に開放し、個人宅の庭等を巡る港北区のイベント、港北オープンガーデンにも参画していたが、転機となったのは今春。同イベントで中原区から訪れた作家、白濱嘉代子さんと意気投し、白濱さんのアドバイスを受け、6月、「ミニ・ギャラリー&オープンガーデン」としてリニューアルした。
人の輪広がる拠点に
ギャラリーでは、作家らの作品を無料で展示する。作品はおよそ1カ月半から2カ月、また季節毎に入れ替えるなど、訪問者を飽きさせないよう工夫している。現在、運営スタッフとして携わる白濱さんの秋をテーマにしたリースやフラワーアートなども展示されており、「見て感じたことを大切にしてもらえたら」と白濱さん。
箕輪町在住の伊藤淳二さん(83)も作品を展示し、運営にも参画している。みなとみらいや地元大学など身近な風景の水彩画7点を出品し、「展示の場があると、やりがいがある」。また、もともと草むしりの手伝いに訪れた人が、小嶋さんの思いに共感し油絵を出品するようになるなど、ここを拠点に人の輪が広がっている。
90歳近い近隣住人が撮影した尾瀬の思い出の写真も展示中。「この方に、とても感激してもらって」と小嶋さんは相好を崩す。夫が手がけた観光地のパズルを複数展示しているのは、もちろん感謝の思いから。
和と洋のコーナーに整えられた庭には、数種類の桜や紅葉、ベンチを囲んだ花々があり、四季の表情を楽しめる場となっている。
多い日には1日10人ほどが訪れる。展示作家の提案でクリスマスリースづくりのワークショップなど新しいイベントも生まれ、「収穫祭も企画してみたい。ラディッシュや柿、柚子とか」(小嶋さん)と構想はふくらむばかり。「多くの方に楽しんでもらえるよう、もっと存在を知ってもらいたい。作品を展示したい方にも、ぜひ声をかけてほしい」
開放日は(月)(水)(土)(日)の午前7時〜午後3時。
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