横浜市は1月27日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は前年度比3・6%増の1兆9844億円で、2年連続の増加となった。24年に4年ぶりの人口増、さらに20代から40代の社会増減が過去20年で最大のプラスになったことをうけ、引き続き子育て支援を強化するとともに、防災・減災対策にも注力し、「人にやさしいまち」を目指すとした。
横浜市中期計画の最終年度にあたる25年度。山中竹春市長は27日の記者会見で、「もっと『人を惹きつけるまち』へ」をキャッチフレーズに、市民要請の高かった地震対策、子育て支援、地域交通の拡充を核とした予算編成であると説明した。
能登半島地震を契機とした新たな防災・減災対策には、今後5カ年で960億円を投じる計画。発災前からの備えとして、木造密集対策地域において感震ブレーカーと家具転倒防止器具の設置の全額補助等に2億8000万円、また1億2000万円をかけ、旧耐震建築物の除去や新耐震グレーゾーン住宅に対して新たな耐震補助を行う。避難所環境の向上には、小中学校のトイレや全ての公園トイレの洋式化に24億200万円、小中学校の体育館への空調整備に14億7400万円を計上した。
子育て支援対策として、自治体では全国初となる短時間預かりの新設に取り組む。商業施設等などに常設し、預けやすさと安心の両立を図るため認証制度と補助制度の検討を進め、25年度のモデル実施、26年度の創設を目指す。また子育て応援アプリのパマトコの拡充には4億7000万円を計上し、利用者を妊娠・未就学期(約18万人)から学齢期(約45万人)まで大幅に拡大する。
地域の総合的な移動サービスの実現には合計7億円を計上。公共交通圏域外への地域交通導入や、敬老パスの地域交通への適用等で誰もが暮らしやすいまちづくりを目指す。
データ駆使し財源創出
市は、中期計画に掲げた全ての施策と事業を対象に、データに基づいて施策の質の向上と、事業の創造・転換を検討するデータドリブンプロジェクトを進める。それにより介護関連事業の会計整理等を実施するなど17件7億円の財源を創出。事業の見直しによる歳出削減や広告料収入などの歳入確保と合わせて172億円の財源を創出する。
市税収入は前年度比7・1%増の過去最高額9459億円。好調な雇用情勢などにより、納税者数や給与所得、企業収益の増、定額減税の終了等による増収も見込む。
港北区では
25年度の「個性ある区づくり推進費」総額176億円のうち、各区が編成した予算は約150億円。区役所が地域の身近な課題やニーズに迅速かつ、きめ細かく対応するための「自主企画事業費」は約18億円を計上。港北区では、「港北オープンガーデン」や「港北育苗プロジェクト」「水と緑の学校」など花、緑、農、水に関する取組みを契機に各世代の区民参画を促進する「港北ガーデンシティ推進事業」に477万円をあてた。
また、区から局へ予算化・制度化を提案し、区と局が連携して解決を図る「区提案反映制度」について、港北区では5000万円を計上。分校設置校を除いて市内で最も児童数が多く、グラウンド面積が市の基準を下回っている師岡小学校で、運動スペース確保のための改修を行うほか、全区を対象に実施している児童生徒数の急増要因出現率に関する調査結果を踏まえ、推計内容を精査し、各校の教育環境の向上につなげていく。
予算案は1月28日に開会した第1回市会定例会で審議される。
![]() キャッチフレーズを掲げる山中市長
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