港北区 人物風土記
公開日:2025.07.17
「おもちゃドクター秀G」として、区内外でおもちゃ病院を開いている
本田 秀一さん
下田町在住 74歳
「ありがとう」の笑顔が報酬
○…壊れたおもちゃ、動かなくなったおもちゃを「患者」に見立て、「診察」や「手術」で動くように”治す”「おもちゃ病院」のドクターを務めて約10年。区内では日吉駅前の商店街で”開院”、6月からは下田町の教会でもスタートした。主な依頼主はおもちゃに愛着を持ち、大切に遊んできたであろう子どもたち。「その場では治せないこともあり、『入院』だね、と伝えると、目に涙を溜めて嫌がる子もいてね」と目を細める。
○…福島県に生まれ、4歳で日吉に転居。「周りは自然に溢れていて、まさにトトロの森だった」と懐かしむ。日吉台小から、創立したての下田小に編入した。中学では放送部、高校では新聞部に所属。放送機器やカメラの「機械いじり」の経験が、今につながる礎に。大学時代は学生写真家として「社会派っぽいことをしていたかな。反戦平和の時代だったから」。
○…学生時代から、出版社で編集・撮影業務に携わり、就職先の大手カメラメーカーでは熱望して宣伝部に。そこで定年まで勤め上げた。定年後、興味のあった自分史活用アドバイザーやヨコハマ海洋市民大学の海洋教育デザイナー、プログラミング教室の講師も行う。「下手の横好きだけど、時間はたっぷりあるから」とにんまり。プログラミング教室の縁で、日本おもちゃ病院協会の門を叩いた。「思いっきり文系なんだけどね」
○…二人の子どもは独立し、幼児と小学生の孫がいる。「ちょうど、おもちゃを持ってくる子たちと同じくらいだね」。「もっと大事にすると思うから」と、”病院”では中身がどういう風になっているのか見せながら治すという。治ったおもちゃを渡した時の喜ぶ顔と「ありがとう」が、「一番のご褒美だよね」。
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