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港北区 人物風土記

公開日:2025.09.25

桜田史話会会長として毎月大豆戸地域ケアプラザで講演会を行う
岡本 浩敏さん
大豆戸町在住 82歳

地域探求し紐解く

 ○…「桜田史話会」の「桜田」は大豆戸地域の字の一つ。地元はもちろん、武蔵国や相模国まで範囲を広げて歴史を調査している。「大雨が降った時に鶴見川が氾濫すると、弥生時代の形状にそっくりになる」。その発見をマンションの情報誌に寄稿すると、好評を博した。「まだまだ隠れている材料がある。見方を変えると新たな気付きがある」と、生き生きとした表情で語る。

 ○…満州出身。終戦後、3歳の頃に日本へ。4人きょうだいだったがそれぞれ、両親の故郷や所縁のある地の家庭に引き取られた。幼少期は札幌で過ごし、小3〜4の時に東京にある家庭の養子に。当時から歴史好きで、友人宅にあった「少年少女文学全集」に夢中になり、借りては返してを繰り返した。「クラスで『歴史少年』って言われていてね」と懐かしむ。就職で港北区に住むようになったが、隙間時間に本やインターネットで歴史を調べ続けた。

 ○…退職後、5カ所の博物館で歴史ボランティアとして活動。やがて地域の仲間から「それだけ知識があるなら会を作ってみたら」と勧められ、25年程前に約10人で勉強会を始めた。10年程経ち正式な会として同会を発足。マンションの会議室で活動していたが、月1回の頻度で大豆戸地域ケアプラザで講演会を行うようになった。印象的だった地域の歴史は、大豆戸が2つの村に分かれていたこと。「名主が違うことが理由だ」と話し、「分かれた形が鷲のようなんだよ」と少年のような笑みを浮かべた。

 ○…「調べていると血が沸いてくる」と毎日本を読む。今後注目したいのは庄屋(名主)。「地味かもしれないが、その中で面白い人を見つけたい」と目を輝かせる。これからも飽くなき探求心で地域の歴史を紐解く。

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