港北区 人物風土記
公開日:2025.10.16
3期目続投は26年ぶり、神奈川県社会保険労務士会の県内最大支部を率いる
加藤 健司さん
日吉在住 59歳
「整える」使命感
○…「社労士が何か分からない人も多くて」。企業の人事・労務管理や年金のエキスパートで構成される神奈川県下最大規模、所属人数は600を超える社労士会横浜北支部で、26年ぶりとなる3期目の支部長に就任。「2期4年で交代がほとんど。認められた重責です」と語る。続投の背景には、コロナ禍の支部活動の停滞と、「次に渡すため、活動を整え復帰させる」という強い使命感がある。リーダーとして、地域への強い責任感をにじませる。
○…支部長として最も力を入れたのは、支部独自の「無料相談会」の立ち上げ。以前は他イベントに”乗っかる”形だったが、コロナ禍を機に「自分たちでできる活動を」とスタート。年2回の開催を主導し、運営の土台を築いた。敷居を下げるため、会場では着ぐるみや子ども向けゲームも実施。「年金や労働問題など、生活に密着した相談も。まずは社労士を知ってほしい」
○…東京武蔵野市出身。大学で労働法規を専攻した。通信、保険業界を経て、ファイナンシャルプランナーの知識が社労士資格取得のきっかけとなった。「資格はあくまで、目標達成のためのツール」と、キャリアは好奇心に導かれてきた。信条は「就業規則は洋服と一緒で、体型に合わせて作り直さないといけない」と労務管理の本質を説く。
○…「中小企業の経営者の多くが、社労士の必要性を感じていないのが現状です」。だからこそ、学校での無料授業などを通じ、未来の世代にも重要性を伝えている。幅広い知識を背景に、「まずいと思ったら『逃げる』、つまり相談することが大切」と力強く訴える。「その逃げ道のひとつになれる存在でありたい」。今日もその使命を果たし続けている。
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