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公開日:2025.11.13
県原爆被災者の会
核廃絶の願い、次世代へ
式典で重要性訴え
神奈川県原爆被災者の会主催の式典「被爆80年のつどい」が11月1日、港北区内で開催された。平均年齢86歳となった被爆者の「核廃絶」への強い願いを次世代へ継承する重要性が訴えられたイベントには、多くの参加者が集った。
神奈川県原爆被災者の会の丸山進会長は開会あいさつで、今年が被爆80年にあたり、被爆者の平均年齢が86歳に達したことに言及。長年の運動が核兵器禁止条約の成立や2024年の日本被団協ノーベル平和賞受賞につながったことに感謝を述べた上で、核兵器は人類と共存できないとの危機感を示し、「核兵器なき平和な世界」を次世代に引き継ぐよう強く訴えた。
来賓として黒岩祐治神奈川県知事らが登壇し、活動への敬意を表した。また、会の活動の歩みを振り返る映像「神奈川県原爆被災者の会のあゆみ」が上映された。
式典の中核として、横浜夢座の五大路子さんによる朗読劇「真昼の夕焼け」が上演された。これは横浜大空襲の実話を元にした作品で、俳優陣の魂を込めた朗読とその場で奏でられる効果音が臨場感を生み、参加者に対し、戦争の記憶を伝えることの重要性を強く訴えた。鎌倉市から家族で参加した仲長武男さんは「迫力があって、胸にくるものがあった」と感想を述べた。
世代超え平和議論熱く
続いて、第28代神奈川県高校生平和大使の青柳潤さんが活動報告を行った。青柳さんは同大使の一人として、今年9月に全国で集めた核兵器平絶を求める11万筆超の署名と目録をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に提出した。
高校生平和大使の活動はインド・パキスタンによる核実験を契機に1988年に開始。一年を通して街頭などで署名活動を行い、これまでに280万筆以上の署名を集め、国連に届けている。
ここでは、スイスの国連欧州本部で軍縮会議を傍聴したことや、集めた署名を提出したことなど、国際的な活動内容を説明した。
活動報告の後、五大さんと青柳さんによるトークセッションが実施された。それぞれの平和活動に取り組むきっかけや、世代や国境を超えて戦争の悲惨な経験を伝えることの意義が熱く議論された。
閉会あいさつは神奈川県生活協同組合連合会の當具伸一会長が務め、被爆者の努力に改めて敬意を表し、核兵器廃絶運動を若年層へ継承する重要性を強調した。
第二部の祝賀会では、関係者、参加者らが交流。最後は同会副会長で昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協事務局長の和田征子さんのあいさつで会は締められた。
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