新型コロナウイルス感染症の拡大が地域経済に大きな影を落としている。各種の商業施設が立ち並ぶ都筑区の商店街への影響も計り知れない。昨年の春以降、度重なる外出自粛や時短要請など、商業活動の制限が続く中、都筑区商店街連合会の木伏慎治会長に現状を聞いた。 (聞き手=本紙・伊藤圭)
「従業員の方の今後が心配」
--4月20日に神奈川県にまん延防止等重点措置が発令され、1か月以上が経過します。都筑区の地域経済への打撃も大きいかと思いますが。
「特にセンター南、センター北、仲町台、中川など区内の商業地は飲食店が多いのが特徴です。大小様々ですが、どこも影響は大きく、営業を辞めている店舗や閉店した店舗もあります。そのため、駅周辺の飲食店街は夜、閑散としています。周辺の物販や美容室、エステなどにも大きな影響が出ていると思います。皆さん様々な工夫を凝らし、助成などを活用して乗り切っていますが、これから先、特に従業員の方の生活への影響が心配です」
--区内には大規模な商業施設も数多くありますが。
「アパレル関係は売り上げがかなり落ちていると聞いています。新規店舗の開店が停滞することが続くでしょう。一方、おうち時間の増大でホームセンターやインテリア関連は人がよく入っています。都筑区は車移動が多く、駐車場が充実しているので都内から車で訪れる人も多いようです」
区内の賃貸住宅今春急激な動き
--ご自身は不動産業を営んでますが、都筑区の不動産業、物件への影響はいかがですか。
「不動産業は扱う物件、エリアによって大きなバラつきがあります。コロナ禍で郊外が注目されました。湘南エリアなど郊外の戸建て物件を扱う業者は好調です。
都筑区内の賃貸住宅はこの春、急激に動き出しました。昨年は多くの企業で人事異動を見送るケースが見られましたが、今春は異動が多かったようです。都筑区は都心へ通勤することができ、公園や遊歩道も多く、コロナ禍でも安全で安心して暮らせるという理由で選ばれる方が多いようです。
一方、都筑区内のオフィスでは特に大手企業でテレワークが進んでいます。100坪もある事務所に数人しかいないということがあり、企業がオフィスを小さくする動きが進んでいます。商業施設と同様、オフィスのテナントが退去すると、埋まりにくい状況が続いています」
地域活性化策を模索
--昨年は商店街のイベントも相次いで中止となりました。大きな影響があったかと思いますが、商店街の役割を改めてどう感じていますか。
「都筑区商店街連合会には現在、371社が加盟しています。北山田地区では感染症対策を徹底した上で桜祭りを開催しましたが、センター南、センター北、中川、えだきん、仲町台、川和地区など商店街が関わる各種のイベントはほとんど中止となりました。今後のイベントでもすでに中止を決めているものがあります。毎年、イベントはかなりの集客があり、商店街や各店舗のPRの場になっていました。こうした場がなくなり、人と店、人と商店街が新たに繋がる場が少なくなりました。
こうした状況を打開する方策として、商連ではGOTO商店街の制度を活用して地域活性化の取り組みを進めることを検討してきました。ところが、緊急事態宣言の発令を受け、申請をしたまま止まっている状況が続いています。公式キャラクター『つづき たいちゃん』が誕生し、これから地域を盛り上げていこうと、3月にお披露目したところです。こうしたPR活動をしっかりと生かしていきたいと考えています。キャラクターの認知を広げながら、加盟店のPRを進めていこうと考えています」
人流止めることも
--新型コロナを巡って様々な要因から地域経済は大きな影響を受けていますが、会長として素直に感じることは。
「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など、何度もだらだらとやるよりも、いっそのこと人流を一気にギュッと止めた方が良いと感じている。地元からもこうした声はよく聞こえてきます。
多くの皆さんが協力して連携していくことが大切だと考えています。『早く普通の生活を取り戻したい』そう切実に願うしかありません」
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